Christina Olson
開催中の「ワイエス展」(東京都美術館)の紹介をNHKの「日曜美術館」でやっていたが、同展の学芸員が、「境界」という言葉をキーワードにしてワイエスの作品を解説していた。その中で、 「クリスチーナ・オルソン」は「屋内と屋外」の境界を描いているとしている。クリスチーナはその二つの「境界」に座っている。足が不自由だったクリスチーナの、外の世界への想いを表現しているというのだ。そしてこのドアが開いた戸口という「境界」は、内と外を「隔てる」と同時に、両者を「結びつける」役割をしているという。そして「クリスチーナ・オルソン」の完成作と習作を比較している。右図が習作デッサンだが、完成作とほぼ同じようにクリスチーナが描かれている。しかし唯一髪だけが違っている。習作では髪がまとめられているが、完成作では髪が風になびいている。この「風」を描くことで、クリスチーナが屋内と屋外の「境界」に座っていることを強調しているというのだ。なかなか説得力のある説明だ。
しかしこの絵には、同学芸員が触れていなかったもうひとつの「境界」がある。それは「光と影」だ。開いたドアに斜めに光と影の境界がくっきりと描かれている。光は屋外で、影は屋内だ。その境界にクリスチーナは座っている。ワイエスには窓を描いた描いた絵が多いが、それらは、窓を外と内のつなげるものとして描いている。(ワイエスの「窓から差し込む光」について先日書いたので参考まで)→
0 件のコメント:
コメントを投稿