Caravaggio in the movie「Ripley」
「リプリー」(NETFLX)というサスペンス映画で、カラヴァッジョの絵画が登場する。アメリカ人の自称画家の主人公が、依頼されたある仕事のためにイタリアへ行く。そして殺人事件を起こし、警察の追求を逃れてイタリア各地を転々とする・・・映画は白黒だが、イタリアの歴史的な建築・彫刻・絵画が頻繁に登場する。その中で、カラヴァッジョの名作「マタイの召命」が登場する。主人公はカラヴァッジョが好きで、イタリア旅行中も分厚い画集をつねに持ち歩いている。映画は、巨匠でありながら犯罪者として常に逃亡生活を送っていたカラヴァッジョを、同じくイタリアを転々とする主人公のメタファーとして使っている。主人公は画集で見ている「マタイの召命」を飾ってある教会へ実際に見に行く。光と闇を許烈なコントラストでドラマチックに描く「キアロスクーロ」の巨匠カラヴァッジョの最高傑作だ。
祭壇の周囲をコの字型に囲むように3つの絵が飾られていて、左側の絵が「マタイの召命」。3枚の絵は聖書の物語の場面で、あたかもそのシーンがこの祭壇でいま実際に起こっているかのように見せようとしている。
そのためにカラヴァッジョはある計算をして絵を描いている。教会内の光の方向と絵の光の方向を一致させることだ。正面中央の上部に天窓があり、そこらの光が3枚の絵を照らしている。だから左の絵は右光源で描かれていて、右の絵は左光線で描かれていて、中央の絵は上光源で描かれている。
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