Cognitive Bias
「バイアスの心理学」という本に、80 種類以上のいろいろなバイアスについて解説している。それらすべてで、認知心理学者による実証実験が紹介されていてとても面白い。そのなかから少しだけ紹介。
2グループに分けた被験者に左の図形を見せる。Aグループには「これは砂時計に似た図形です」と伝える。Bグループには「これはテーブルに似た図形です」と伝える。
そして1週間後に、その図形を思い出して描くようにいう。するとAグループは砂時計のような形を描き、Bグループはテーブルのような形を描いた。
人間は曖昧な図形が「砂時計」とか「テーブル」とかラベル付けされるとその知識に沿うように覚えてしまう。これは認知バイアスのひとつで、「ラベリング効果」という。
「ラベリング効果」は政治の世界で日常的に利用されている。「ラベルづけ」は日本語の「レッテル貼り」と同じで、「レッテル貼り」によって敵対する政治家のイメージを悪くしようとする。例えば「彼は極右政治家だ」などとラベリング(レッテル貼り)して、人々に偏見を植え付けようとする。
「アンカリング効果」
被験者を2グループに分けて質問をする。Aグループには「国連加盟国のうち、アフリカ諸国は何%だと思いますか? 65%より多いと思いますか?」と聞く。すると「 65%より少なそうだから 45% くらいかな」と答える。
一方 Bグループには「国連加盟国のうち、アフリカ諸国は何%だと思いますか? 10%より多いと思いますか?」と聞く。すると「 10%より多そうだから 25%くらいかな」と答える。
正解は 30%で、両グループともはずれている。最初に数値を示されると、それを目安にして物事を判断してしまう。これは「アンカリング効果」と呼ばれる。これは TVショッピングのCM などでしょっちゅう目にする。「本来 ¥3000 の商品を特別に ¥2000 で提供します」 と言われると ¥3000 に何の根拠がなくても安く感じてしまう。
「同調バイアス」
線の長さを比較する図表を見せて、「標準線と同じ長さの線は ABC のうちどれですか?」と聞いて、複数の回答者に答えさせる。ところが被験者以外はサクラで、全員「B」と答える。しかし被験者は 「C 」ではと思いつつも「B」と答えてしまう。このようにまわりの意見に影響されて、周囲に合わせた行動とるのを「同調バイアス」という。物事の正しさや価値を自分で判断できなくなる。
例えば職場で、自分が仕事が終わっても、みんなはまだ残業しているので帰れないとか、飲み会に行きたくないが、和を乱すのを気にして参加する・・・など「同調バイアス」はしょっちゅう目にする。