Influence Operation
現在、IT 企業などが受けているサイバー攻撃は、システムの脆弱性を突いて得た個人情報を人質にして身代金を奪おうとしている。このような金銭が目的のサイバー攻撃以外にも、SNS を悪用して社会の分断や混乱を引き起こそうとするサイバー攻撃がある。
・能登地震の時、不安を煽る偽情報を拡散させ、社会を混乱させようとしたサイバー攻撃は、外国勢力が関与したことが専門家の分析で判明している。
・コロナ禍の時に一部の政治勢力が、ワクチン接種は危険だと言うデマ情報をネットで拡散させたが、政府や公的機関への不信感を煽り、社会の分断を引き起こすことが目的だった。
・日本のある新党(S党)の設立時に、XとYouTube を活用して、自党を称賛する投稿を大量に拡散させた。それは人間ではなく、「ボット」と呼ばれる投稿を自動的に拡散するプログラムによって行われた。たくさんのボットが協調や連携をして行動することで SNS のアルゴリズムが反応し、それまで興味がなかった人にも情報が届くようになった。その結果、出来たばかりの政党が選挙で 14 議席を獲得した。
このように世論を分断するようなサイバー攻撃は「影響力工作」と呼ばれている。SNS にはAI を利用して、同じ傾向の意見を検索して集めるアルゴリズムがある。だから SNS ユーザーは自分と異なる意見が見えなくなってしまい、意見がどんどん過激な方向へ行ってしまう。「影響力工作」はそのことを利用している。
以上のようなサイバー攻撃については「認知戦」という本が参考になる。著者はイタイ・ヨナトという人で、イスラエルの諜報機関でサイバー攻撃の防御に携わっていた経歴があり、たくさんの具体的な事例を解説している。







