Amalfi, 「Repley」and Escher
鎌倉の高台に海一望の「アマルフィ」というイタリアンの店がある。店の名前はもちろんイタリアの景勝地アマルフィから来ている。そのアマルフィが映画「リプリー」に出てくる。主人公がアマルフィにある超金持ちの大豪邸を訪れてくる・・・
これがそのシーン。崖の上に、海へ突き出すかのように家が建っている。中世風の古い家が密集していて、教会の塔が見える。
自分ではアマルフィへ行ったことはないが、このシーンでエッシャーの絵を思い出した。エッシャーは若い頃、イタリアに移住して風景画を描いていた。なかでもアマルフィーが好きで、多くの作品を残している。これはそのひとつで、上の実景写真と比べると、かなり緻密に写実的に描いていることがわかる。教会の塔や建物などが上の写真とぴったり合っている。そもそも映画の映像は、この絵をもとにしているのではないか。俯瞰のカメラアングルがよく似ている。
もうひとつエッシャーのこの絵で、上とは反対の陸側からアマルフィの街を見ている。手前の下の方に細い道が描かれているが、階段やトンネルが複雑に入り組んでいて迷路のようだ。
このイメージも映画「リプリー」に出てくる。土地が狭いせいか、道が建物の下をくぐっていて地下道のようだ。そして坂が多いので、その道がすべて階段になっている。この階段とトンネルが入り組んだ迷路のようになっていて、主人公が迷子になりながら歩いている。
このシーンに相当するエッシャーの作品がないか、エッシャーの画集を見たらあった。3方向に階段が続いている道の中央から出口が見えている。上の映像そのままだ。後年エッシャーは視覚を欺くような不可思議な絵を描いたが、そのイメージの源泉がこの時のイタリアの経験から来ているといわれている。