Italian Still Life
静物を大サイズで初めて描いた。
La Revolution
昨日「廃墟の画家」ユベール・ロベールが描いたパリの街の「破壊と再生」の絵について書いたが、ちょうど昨日タイミングよくNETFLIXでやっていた「ラ・レボリューション」(「革命」)という映画を見て、ユベール・ロベールがそのような絵を描いた時代背景をリアルに知ることができた。
フランス革命は 1789年に起きたが、昔中学生の頃「火縄くすぶるフランス革命」などと語呂合わせで遊んでいたが、もちろんフランスではそれどころでない圧政に苦しむ庶民が王政を倒した重要な歴史だ。この映画は民衆が武装蜂起してフランス革命に至るまでをドラマ化している。
この時代のパリは人口過密状態で、都市環境が劣悪で、狭い路地に家が密集していて衛生状態が悪く、伝染病の蔓延で腐った死体がゴロゴロしている。そして市民は困窮と飢えに苦しんでいるが、政府の役人は不満分子を情け容赦なく捕まえて牢獄に入れる。過酷な王政政治に対してついに民衆は立ち上がる・・・
映画でパリの街のシーンが繰り返し出てくる。丘の上には立派な王宮がそびえているが、庶民の家々は密集している。現在のパリの街の姿とは程遠い。ゴミゴミした狭い路地裏で人々は貧しい生活をしいられている。
ユベール・ロベールも革命派の一人だったというが、彼がパリの古い建物を破壊する光景を絵に描いたのは、フランス革命後に、こういう古い街並みを壊して、新しいパリを作ろうとするフランス社会のエネルギーを描いたのだった。そしてパリが現在のような整然とした姿に生まれ変わったのもフランス革命のおかげだったことがこの映画からよくわかる。Hubert Robert
上野の国立西洋美術館の常設展示で、ユベール・ロベールの作品が3点展示されていて、同館の目玉作品になっている。その3作もそうだが、ユベール・ロベールは、廃墟になった古代ローマの架空の建物を描いて「廃墟のロベール」として有名だが、彼には「バスチーユの解体が始まる日」(The Bastille in the Fiest Days of Its Demolition)という作品がある。
1789年のフランス革命の発端になったのは、民衆によるバスチーユ牢獄の襲撃だったが、その事件をユベール・ロベールはリアルタイムで目撃していた。そしてすぐに牢獄を解体する作業が始まったが、この絵はその情景を描いている。巨大な牢獄の手前で、作業員たちが働いている。建物のてっぺんはレンガが投げ落とされてすでにギザギザになっている。王政フランスのシンボルが目の前で廃墟になりつつある現実を描いていて、フランス革命のドキュメント絵画になっている。
In Search of Lost Time
小説はプルースト自身の若い頃の経験を記した ”精神の放浪記” とでもいえる内容だが、そのおおりおりの感情を絵画に託して語っている。例えば小説にこんなくだりがある。主人公の画家ベルゴットがフェルメールの「デルフトの眺望」をながめながら息を引き取るシーンで、次のように書いている。
「・・・フェルメールの「デルフトの眺望」を見るために展覧会に出かけた。初めてベルゴットは青い服を着た小さな人物が何人かいること、浜辺がバラ色であること、最後に小さな黄色い壁面の貴重なマチエールに気がついた。目まいはひどくなってきたが、ベルゴットは子供が捕まえようとする黄色いチョウをじっと見るように、その貴重な小さな壁面をじっと見つめた。・・・」
このように小説は、主人公がこの絵を詳細に見つめている様子を書いているが、もちろんこれはプルースト自身の経験である。この本は小説に登場する絵画を手がかりにして「失われた時を求めて」を理解しようとしている。
Cold Wind
20年くらい前、稚内あたりのオホーツク海の海岸を車で走っていた時、この風景を見かけた。冬は休漁中の漁船は陸に上がったままだ。車から出ると強風で猛烈に寒い。絵にしたが、寂寥感のようなその場の「ムード」が出せていない。どうかしたいと考えている。