2026年10月16日金曜日

ディストピア・シティ

 Dystopia City

SF 映画などによく出てくる未来のディストピア都市の風景をネットから集めてみた。人口の過密状態、環境破壊による汚染、非人間的な住環境、などの 文明の発達が行き着いた末の絶望的で終末的な都市の姿を描いている。







2026年10月15日木曜日

ドキュメンタリー「彼女の権利、彼らの決断」

 Reversing Roe

「彼女の権利、彼らの決断」(NETFLIX)というドキュメンタリーは、「妊娠中絶は合法」という最高裁の判決を、トランプ大統領が覆して、中絶を非合法化しようとしていることに対する反対運動を描いている。

2017 年、トランプが大統領になると、選挙で支持を受けたキリスト教保守派の意向を受けて、妊娠中絶禁止法案を成立させようとする。禁止賛成派はキリスト教の教えである「受精した卵はその瞬間に人格を持つ」という考えをもとに、中絶は殺人であると主張する。

さまざまな理由から、中絶を望む女性が多い。しかし禁止法案は、女性自身が産む産まないを選択する権利を奪うものだとして猛反対が起こる。

アメリカだけでなく、女性は子供を産む道具だという考え方から、出産に関わる問題に国が介入して、女性の決定権や人権が奪われている国は多い。まるでマーガレット・アトウッドの小説「侍女の物語」のような世界だが、日本でも「子供を産まない女性は非生産的だ」と公言した国会議員がいた。


2026年10月14日水曜日

透過光を描く

 Transmmited Light

光が物に当たったとき、反射、吸収、透過の3つの性質がある。静物画ではそういう光を描くのが面白い。中でも透過光は複雑で面白い。


ガラス製品は光を強く反射するが、同時に透過もする。反射光と透過光がからみあって複雑な光になる。ウィスキーの入ったグラス、ビー玉のいずれも透明なので、光が入った側の反対側が透過した光でボーッと明るくなる。


果物にも透明なものがある。ブドウの果肉は透明なので、光が果肉を透過して、暗い部分がかすかに明るくなる。ビー玉と似ている。


オレンジやミカンも果肉が透明なので、透過光が見える。果肉の薄い部分は厚い部分よりよく透過するので明るくなる。



2026年10月13日火曜日

マーチン・ジョンソン・ヒード の 植物画

 Martin Johnson Heade

ボタニカル・アートは、カルチャーセンターなどでお手軽な趣味として流行しているが、写真の通り描くだけの絵で、草花の活き活き感がない。植物図鑑の挿絵のような死んだような絵だ。

対照的なのがマーチン・ジョンソン・ヒードで、もともとは風景画家だが、風景の中の草花をクローズアップで描くようになった、ボタニカル・アートと違って、植物が生きている野生の環境も含めて活き活きと描いた。熱帯で取材をして描いた食虫植物の絵では、生々しくて不気味な感じさえする。(画像:「Matin Johnson Hede」より)




2026年10月12日月曜日

映画「ハンドメイズ・テイル」(侍女の物語)

 Handmaid's Tale

カナダの女性作家 マーガレット・アトウッドは、ノーベル文学賞の有力候補だったが、今年は受賞しなかった。しかし代表作「侍女の物語」の、世界中に与えたインパクトの大きさから、いずれ受賞するに違いない。

「侍女の物語」は、宗教原理主義者が政権を奪取して、独裁政治をしている国の物語だ。出生率の低下を食い止めるために、すべての女性から仕事と財産を没収し、妊娠可能な女性たちを「侍女」として、強制的にエリート層の男の邸宅に送り込む。「侍女」たちはあくまで出産の道具だ。

「侍女の物語」は、このような近未来社会を描いたディストピア小説だが、今から 40 年くらい前の1985 年に書かれた当時は、 SF ファンタジー小説としか思われていなかった。しかし近年になって、この小説が書いているディストピア社会が現実のものになってきて、この小説が現代への警告だと受け止められるようになった。

特にそれがはっきりしたのは、トランプが大統領になって、支持基盤のキリスト教原理主義団体の主張をもとに、妊娠中絶禁止の法律を作り、女性の産まない権利を奪おうとしていることだ。これに対して、人権侵害だとして猛烈な反対運動が起きている。

小説は「ハンドメイズ・テイル」という題名で映画化されたが、小説どおり侍女は、白いフードと赤いガウンを着ている(上図)。反対運動の女性たちは抗議デモで、これと同じ服装を着て抗議している。左図のプラカードの「これはフィクションではない」の「フィクション」は「侍女の物語」を指している。右図のように全員が「侍女」の服装を着ている。「侍女の物語」は、女性人権運動のシンボルになっていて、この小説の影響力の強さを物語っている。

(写真はロイター/アフロより)

2026年10月11日日曜日

映画「ベン・ハー」

BEN-HUR

昔懐かしの名画「ベン・ハー」が今月から NETFLIX で配信が始まったので早速見た。しかしこれは、かつて見た オリジナル版( 1959 年)ではなく、2016年のリメイク版だ。

かの有名な戦車競争のシーンが実写から CG になったりしてスペクタクル感がすごくなっているが、ストーリーの基本は変わっていない。ユダヤの豪族の家で育ったユダヤ人の兄とローマ人の弟との、義兄弟の物語だ。

ローマ帝国の侵略でイスラエルは植民地になり、兄と弟は政治的立場が対立するようになる。ローマ軍の司令官になった弟の命令により、兄は奴隷にされてしまう。苦難の末に生き延びた兄は。弟への復讐のために戦車競争を挑む・・・

この映画のオリジナル版との違いは、イエス・キリストが登場することだ。磔刑に処せられるキリストがローマ兵に追い立てられて、十字架を背負って処刑場へ登っていく時、主人公の兄が水を差し出すシーン。もうひとつはラストで、家族全員が無事で生きていたことを知り、神の奇跡が起こったと喜びあうシーンで、背景に十字架にかけられたキリストが映し出される。そして憎しみあっていた兄弟も、和解と許しで終わる。このようにリメイク版は、宗教映画的な色あいが濃くなっている。


2026年10月10日土曜日

映画「またの名をグレイス」

 Aliace Grace

「またの名をグレイス」は以前見た映画だが、 NETFLIX でもう一度見た。昨日、マーガレット・アトウッドの小説「侍女の物語」について書いていて、同じアトウッドの小説を原作にするこの映画を思い出した。

19 世紀のカナダを舞台にして、ある若い女性の過酷な人生を描いている。家政婦グレイスは、虐待を受けていた雇い主とその愛人を殺した容疑で有罪になり終身刑になる。しかし彼女は当時、記憶を失っていて、その事件は知らないと主張している。

彼女は被害者なのか、それとも残忍な殺人者なのか? 彼女の真実を解き明かそうとして、精神科医が本人との面談を繰り返していく・・・しかし映画は、最後まで主人公の本当の姿がわからないまま終わってしまう。

映画は当時の社会の、男尊女卑や、弱者への虐待や差別、民衆の貧困、などをリアルに描いているが、いずれも今日につながる問題だ。