Gourmet Guide
江戸時代に各地の観光ガイドブック「名所図会」がたくさん出版されたが、今の観光ガイドがグルメ情報を満載しているように、当時の「名所図絵」も美味しい店をたくさん紹介している。「名所図会」の研究書『江戸の旅 名所図絵の世界』(深光富士男)からいくつかを紹介する。
関西地方の観光ガイド「摂津名所図絵」に、大阪にある「すな場」という名前の蕎麦屋が出てくる。大規模な店で、客がいっぱいで繁盛している。庭に縁台のようなものがたくさん並んでいて。客はその上で蕎麦を食べている。店内では蕎麦を打ったり、茹でたりしているたくさんの職人が忙しく働いている。女性の店員が縁台の客へ蕎麦を運んでいる。
この場所は現在の大阪市西区新町で、豊臣秀吉が大阪城を築く際に、資材の砂が置かれていた「砂場」だった。たくさんの土木工事関係者が働いていたので、彼らの食事用に蕎麦屋が営業していた。砂場の店なので店名も「砂場」と呼ばれるようになった。今でもあちこちに「砂場」という名前の蕎麦屋を見かけるがそのルーツだった。