Dementia Movies
前回、認知症の映画について書いたが、他にもまだ名作がある。前回の3作は、認知症になっても家族が優しく支え続けるハートウォーミングな物語だったが、こちらの3作は認知症という病いの厳しさをシリアスに描いている映画で、いずれも映画祭で受賞歴のある名作だ。
認知症になった本人の視点で描いている珍しい映画だ。ひとり暮らしの父親は、訪ねてくる娘と会話をするが、自分のいる場所や時間がわからなくなっている。画面に映されるのは、父親の頭にに見えているシーンで、現実と妄想が入り混じっている。現在と過去の出来事が同時に映し出されたり、そこにいないはずの人物が登場したり、同じ場面をなん度も繰り返したりする。
長年連れ添ってきた老夫婦だが、妻が認知症になる。今まで積み重ねてきた共通の記憶を妻は失っていく。そして夫婦の絆があやふやになっていく。やがて介護施設に入った妻を久しぶりに見舞いに行ったとき、男の入居者と語り合う生き生きとした妻の姿を見る。夫は、自分が彼女にとって遠い存在になってしまったことを知る。