米軍の従軍カメラマンが終戦直後の日本へ来て、原爆被爆の広島で撮ったこの写真「焼き場に立つ少年」は、近年有名になったので、多くの人が見て知っていると思う。10 歳くらいの少年が、すでに死んでいる弟を背負っている。被爆して死んだ大量の死体を次々と焼き場で焼いているが、少年はその順番を待っている。
撮影したカメラマンは、衝撃的なこの写真を封印してきたが、70 年くらいの時を経て発表した。すると核兵器の悲惨さを伝える写真として世界中に知られるようになり、日本人もこの写真を初めて知ることになった。
なおこのカメラマンは、写真の少年はまだ生きているかもしれないと思い、来日して調べたことも話題になった。
戦争ドキュメンタリー映画「WW II 最前線. ヒロシマ」(NETFLIX) に出てくるが、終戦と同時にアメリカは広島と長崎に医師団を派遣した。医療が目的ではなく、原爆が人間に与える「効果」を測定するためだ。その結果、原爆のあまりにも悲惨な結果を知って、アメリカは原爆に関する情報を徹底的に隠蔽した。日本側の記録映像なども押収され廃棄された。また進駐軍は被爆者の口封じもした。そして原爆の非人道性など無かったことにした。おそらく「焼き場に立つ少年」の写真も、アメリカ政府によって長いこと発表を禁じられていたのだろう。