Afterglow
函館本線は、小樽の近くで日本海沿いを通るが。車で通りかかった時、線路と踏切が見えた。すでに日が落ちて暗くなり始めていて、残照だけが明るい風景が印象的だった。 しかしこの昼でもない夜でもない時間の光を絵に表現するのが難しい。
Afterglow
函館本線は、小樽の近くで日本海沿いを通るが。車で通りかかった時、線路と踏切が見えた。すでに日が落ちて暗くなり始めていて、残照だけが明るい風景が印象的だった。 しかしこの昼でもない夜でもない時間の光を絵に表現するのが難しい。
Memory Bias
見にいってはいないが面白そうな展覧会だ。「記憶」が無意識のうちに「汚染」」されたり、人の「記憶」を意図的に「汚染」させることが日常的に起こる。「記憶」にまつわる「認知バイアス」の危険性を認識させようという意図の展覧会のようだ。「記憶」に関する認知バイアスの代表は「虚偽記憶」で、過去に実際に起こらなかったことを本当に起きたと思い込むバイアスだ。
だから「思い出」も後から作られることがよくある。それは「事後情報効果」と呼ばれる。「バイアスの心理学」という本に、ある実験が紹介されている。ひき逃げ事件の映像を見せて、一週間後に事故の内容を思い出してもらう実験をした。「逃げた車は赤色でしたか?」と質問されると、被験者の頭の中に赤い車が浮かび、それが「記憶」になってしまう。それで「赤い車だった」と答える。人間の記憶がいかにあいまいで、後からの情報に影響されやすいかを示している。
もうひとつ「確証バイアス」というバイアスがある。自分の考えと一致する情報ばかりを集め、それ以外の情報を無視することをいう。例えば「A型の人は几帳面だ」と信じている人はA型の人に接すると、その人の几帳面な部分にだけ注目して、大雑把な部分は無視する。そうして「やっぱりA型の人は几帳面だ」ということが「確証」になっていく。SNS の偽情報で、繰り返して同じ情報に接すると、だんだん本当のように思えてくるのも同じだ。
Ettore Sottsass
アーティゾン美術館で「エットーレ・ソットサス展」が開かれている。しかしあまり見に行く気にならない。
ソットサスは 1960 ~ 1970 年代にかけて、オリベッティの製品のデザインを手がけていた。機能主義のデザインだが、ドイツの機能主義と違ってイタリアらしい温かみのあるデザインだった。その頃のソットサスの製品デザインはデザインの教科書のような憧れの存在だった。
例えばこの「テクネ3」(1964年)というタイプライターは、端正な造形が美しい機能主義デザインの見本だった。
The Magnificent Seven
「マグニフィセント・セブン」(2016年)は 10年ほど前の映画だが、 NETFLIX で配信が始まったのでさっそく見た。黒澤明監督の名作「七人の侍」を西部劇に変えたリメイク映画だが、なかなかよくできている。「七人の侍」は、七人の野武士が、野盗の軍団の襲撃から村を救うという物語だが、こちらでは悪徳鉱山会社の大軍団が住民の土地を奪おうと攻めてくるのを7人のガンマンが救うというふうに変えている。
「七人の侍」のリメイクといえば何といっても大ヒットした名作「荒野の七人」(1960年)が有名だが、これも原題は「The Magnificent Seven」だから、今回の「マグニフィセント・セブン」はリメイクのリメイクといえるかもしれない。
Embracing Defeat
第二次世界大戦後の日本人を描いた「敗北を抱きしめて」は、下巻の最後のページでこんな漫画を取り上げている。アメリカの占領が終わりに近づいた頃の加藤悦郎の漫画だ。「占領」という檻から日本人が釈放され、「安保条約」と書かれた別の檻に入れられようとしている。その檻の鍵はアメリカ軍兵士が握っている。
この頃になると東西冷戦が激しくなり、朝鮮戦争も起きた。アメリカは、日本に再軍備を命令して、警察予備隊(自衛隊の前身)が生まれた。そして日本全土にアメリカ軍基地を張り巡らせた。「日本の非軍事化と民主主義化」という占領初期のアメリカの政策は逆転してしまった。この漫画はそんな日本の哀しい状況を描いている。
右は同じ加藤悦郎が戦後すぐに描いた漫画で、アメリカの占領軍が日本を軍国主義から救った解放軍として描いていた。このような「平和」と「民主主義」の理想を追求していた日本人の夢は同じアメリカによって打ち砕かれた。
その問題は 80年たった今も、憲法改正問題などのように未解決のまま続いている。同書の最後で著者はこう言っている。『日本の敗北とアメリカの占領は多くの遺産を残したが、同時に大きな問題を残した。しかしその問題はまだ何ひとつ決着をみていない。日本がどこに着陸するのか誰にもわからない。』
What the Health
ネットには高齢者むけの健康情報が溢れている。NETFLIX の「WHAT THE HEALTH」というドキュメンタリーを見ると、そんな情報を安易に鵜呑みにしてはいけないことがわかる。医者は、健康にいい食事は、米などの炭水化物と、肉などのタンパク質と、野菜などのビタミンをバランスよく摂れと必ず言う。しかしこの番組は、肉や乳製品や卵などの動物性食品は、糖尿病やガンや心臓病などの原因になると警告している。
そもそもタンパク質は植物に最も多く含まれている。だから馬や牛などの草食動物はみな体が大きく強い。肉食動物はその草食動物を食べることで間接的にタンパク質を補っている。植物性食品は必要なすべての栄養素を含んだ完璧な食べ物だという。人間も動物性の食べ物をいっさい摂らず、植物性の食べ物だけを食べるのが最も健康にいいという。
しかし食品業界は、動物性食品の害について何も言わない。番組はそのことを食品業界にただそうとするが取材を拒絶される。そして糖尿病協会やガン協会や心臓病協会などの健康を守るべき医学団体にも取材を申し込むがやはり拒否される。医学団体は食品業界から多額の資金援助を受けているからだ。