2024年4月17日水曜日

セザンヌは「キュビズム」の ”はしり”

Cezanne and Cubism

「キュビズム  美の革命」展(国立西洋美術館、〜2024.1)があったが、入場するとすぐにセザンヌの作品数展が並んでいた。 セザンヌはキュビズムにつながる美の革命の先駆者だったとされているが、同展でもそのことを強調していた。

対象を固定した同一視点で描くのが 19 世紀までの絵画だったが、そのために遠近法(透視図法)は絶対だった。それを覆して、あちこちから見た対象を混ぜて描くことで、絵画に革命をもたらしたのがキュビズムだった。

セザンヌはその「多視点」絵画をキュビズムに先立って始めた先駆けだった。遠近法をいかにはずしているか、「リンゴとオレンジ」で調べてみた。3つの食器の楕円が手がかりになる。


それぞれの楕円の丸みが大きく異なっている。手前の皿は丸みが強く、かなり真上から見ている。奥の水差しは楕円が薄いので横から見ている。足つき果物台はその中間になっている。そしてそれぞれの楕円の中心軸はそれぞれバラバラの方向に傾いている。視点の位置と方向が同一画面内で動いていて「多視点」であることがわかる。


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