2016年10月31日月曜日

プジョー 307

Peugeot 307
3年ほど前まで乗っていた。普通のファミリーカーだが、近ごろはやりのガンダムチックな車とちがって素直で柔らかい感じが気に入っていた。このメイドインフランスはへたってしまい、今はこれによく似たメイドイン広島を使っている。



2016年10月28日金曜日

エリック・デマジエールの空想建築

"Erik Demazieres, Imaginary Places"

エリック・デマジエールの作品集をやっと手に入れた。空想の建築を幻想的に描いているフランスの版画家で、3年前に町田市立版画美術館で初めて見て以来好きになった。

この洞窟のような壁面がびっしりと本で埋めつくされた空想の図書館はボルヘスの小説「バベルの図書館」の幻想イメージを視覚化したもの。

上端では天井を真上に見上げているが下端では下の階を真下に見下ろしている。つまり視野角が180度に近く、パースの教科書にやるなと書いてあることだ。クラクラ感はそのせいだと思う。

Erik Demazieres, 
La Bibliotheque de Babel, 1998



2016年10月25日火曜日

「ピカソになりきった男」

Guy Ribes  "Autoportrait d'un Faussaire"

世界的に有名な美術館にも贋作が結構混じっているそうだ。そんなことができてしまう美術界の裏側を、贋作を作っていた本人が暴露した本でとても面白い。

著者のギィ・リブは画力のすごい人で、本物をコピーする贋作ではなく、ピカソ風、シャガール風といった「オリジナルな贋作」を描いている。マティス・ユトリロ・藤田・デュフィ・ダリなども今でもたくさんの美術館に入っているそうだ。

やがて逮捕されてしまい裁判で有罪になる。ところが面白いことにその後も「誰々風」の絵を描き続けているそうだ。だが今では自分の名前でサインしているので犯罪にはならない。それを金儲けではなく純粋に絵が好きな人が買ってくれる。だから今では「画家」としての幸せを感じているという。

2016年10月22日土曜日

ぶどうとチェリーの描き分け方


昔、初級者向けの絵画技法書に「ぶどうとチェリーの描き分け方」というのがのっていた。ぶどうは半透明のため、光が通り抜けて陰側も少し明るくなり、テーブル上の影にも赤い光がさしている。チェリーは不透明なのでそれがない。

とかく「色」と「形」だけで絵を描きがちで「光」を見ていないことが多い。そして質感を出すのは光だ。紫色で丸を描くだけではぶどう「のようなもの」にはなっても美味しそうなぶどうにはならないですよ、という教訓だった。


2016年10月19日水曜日

歴代オリンピックロゴの通信簿

Rating olympic logo design

以前、歴代オリンピックのロゴを調べたとき、1964 年東京のロゴのすばらしさを再認識した。最近、AIGA というアメリカのグラフィクデザイナー団体のサイトで歴代ロゴの評価ランキングが公表された。それによると '64 東京が 100 点満点の 92 点をもらって、ダントツ1位になっている。50 年前の日本のデザイン力。

一方、今度の 2020 年東京のロゴは「評価保留」になっている。理由は書いてないが、これからまだ何かあるかも、と疑われているのだろうか。・・と心配していた矢先「第2ロゴ」(下図)なるものが出てきた!  「デザイン」がお手軽なものになった今の日本。

AIGAサイトはこちら ↓
http://eyeondesign.aiga.org/milton-glaser-analyzes-olympic-logo-design-through-the-ages/

これが「第2ロゴ」なるものらしい。誰が決めたのだろう?

2016年10月16日日曜日

オリンピックのピクトグラム

Pictogram for Olympic

1964年の東京オリンピックのデザインで、その後の各国の大会に影響を与えたレガシーが3つあった。丹下健三の代々木体育館、亀倉雄策のロゴ、ピクトグラム、だ。

世界で初めてオリンピックのピクトグラムを作ったのは '64 東京で、 それにならって各大会でピクトグラムをデザインするのが通例になった。そのいきさつが 10 / 13 の日経新聞に載った。50 年前の日本のデザイン力はすごかった。2020 年東京の国立競技場とロゴでは残念なことになったが、残ったピクトグラムで頑張ってほしいと思う。



2016年10月13日木曜日

ルノー 4CV

Renault 4CV
これを覚えているのは 70歳代以上の人だと思う。クラシックカーの生き残りみたいな車だが、日野がライセンス生産していたので、日本でもたくさん走っていた。就職して最初のボーナスでオンボロ中古を買って乗っていたが、風情のある車だった。


2016年10月9日日曜日

濱明朝:横浜のご当地フォント

Yokohama original font


「濱明朝」という横浜のご当地フォントがあることを初めて知った。まだ開発中でデジタルデータ化もこれかららしいが、なかなかいいと思う。特徴は縦線の太さと横線の細さの差が、普通の明朝体に比べて、極端に大きいこと。

「浜」でなく「濱」というネーミングからしても、この文字のねらいはおそらく歴史が残るレトロな横浜らしさを表現することだと思う。大正から昭和初期にかけて、やはり線の太さのコントラストが強い文字が流行したが、今もポスターなどでレトロ感を出したい時に、それ風の文字がよく使われる。






2016年10月4日火曜日

パステル画作品

Pastel painting work

あるセメント工場。タンクの間の壊れかけた橋渡しの形が面白い。
「要塞」、ハードパステル、ボード(パミスで下地)、P 30号

"Fortress"  hard pastel on board primed with pumice,  65cm × 92cm

同じ工場の別ショットだが、二つのタンクの間から逆光で光が差し込んでいるちょっとドラマチックな感じを使いたいと思っていた。


2016年10月1日土曜日

横浜のアール・デコ:橋(その2)

ART DECO in Yokohama : Bridge (#2)

関東大震災で壊れた何十もの橋が昭和3〜4年に一斉に再建され「復興橋」と呼ばれた。そのデザインに東京芸大の学生が動員されたが、アール・デコ全盛時代だったので、ほとんどの橋がその影響を受けている。ということを2か月ほど前に書いたがその続きを。

その後知人からここにもあるよと教えられて行ってみた。石崎川という川の7つほどの橋の全てに「竣工昭和3年」又は「4年」と標記があり、デザインもアール・デコ調で明らかに復興橋だ。秀作が多いが特に3番目は照明を本体に埋め込んだシンプルな形がいい。

万里橋    浅山橋    高島橋    西平沼橋

横浜は川が多いので橋の数も多い。まだ見ていないのがたくさんあるので、橋めぐりを続けようと思う。