2016年10月25日火曜日

「ピカソになりきった男」

Guy Ribes  "Autoportrait d'un Faussaire"

世界的に有名な美術館にも贋作が結構混じっているそうだ。そんなことができてしまう美術界の裏側を、贋作を作っていた本人が暴露した本でとても面白い。

著者のギィ・リブは画力のすごい人で、本物をコピーする贋作ではなく、ピカソ風、シャガール風といった「オリジナルな贋作」を描いている。マティス・ユトリロ・藤田・デュフィ・ダリなども今でもたくさんの美術館に入っているそうだ。

やがて逮捕されてしまい裁判で有罪になる。ところが面白いことにその後も「誰々風」の絵を描き続けているそうだ。だが今では自分の名前でサインしているので犯罪にはならない。それを金儲けではなく純粋に絵が好きな人が買ってくれる。だから今では「画家」としての幸せを感じているという。

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