Anthropic
このあいだ TV で面白いことを報じていた。AI のアンソロピック社が世界中で、古本屋の本を買い占めているという。本をバラバラにして、ページをスキャンして、印刷文字をデジタルデータ化している。AI は、ネットを検索して得たさまざまな情報を学習し、それを一つにまとめて最大公約数的な答えを出す。だから AI は、ネットに載っていない、多様な知識や知見を知らない。それを補うために「本」の知識を収集してAI に学習させて、もっと賢くしようというねらいだろう。
Anthropic
このあいだ TV で面白いことを報じていた。AI のアンソロピック社が世界中で、古本屋の本を買い占めているという。本をバラバラにして、ページをスキャンして、印刷文字をデジタルデータ化している。AI は、ネットを検索して得たさまざまな情報を学習し、それを一つにまとめて最大公約数的な答えを出す。だから AI は、ネットに載っていない、多様な知識や知見を知らない。それを補うために「本」の知識を収集してAI に学習させて、もっと賢くしようというねらいだろう。
James Rosenquist 「F-111」
反戦絵画の名作といえばピカソの「ゲルニカ」や、ゴヤ」の「銃殺」などがある。新しいところでは、1960年代のポップ・アーティストのジェームズ・ローゼンクイストの「F-111」という作品が有名だ。幅 26 m という超大作で、ニューヨークのMoMA に、部屋を囲む4面に展示されている。
市民たちは平和だと思っているが、実際にはアメリカの戦闘機が人を殺していることを想えというメッセージが込められている。
反戦ポスターのように「NO WAR」といった直接的な文字を描き込まなくても、強いメッセージを訴えることができるのが絵画の力だ。
Do You Hear The People Sing
この間の米中首脳会談の晩餐会で、楽団が映画「レ・ミゼラブル」の劇中歌「民衆の歌」を演奏したという面白いニュースがあった。「民衆の歌」は、圧制政治に対する反政府抗議運動のシンボルのような歌で、中国では禁止されているという。それをあえてトランプ大統領が演奏させたとすれば、習近平氏への当てつけのように思える。映画「レ・ミゼラブル」は、民衆が貧困にあえぎ、政府の圧政に苦しんでいた時代、国民が蜂起して動乱を起こした事件を描いていた。そのシーンで人々が歌ったのが「民衆の歌」だった。道路にバリケードを築いて、制圧しようとする軍隊と銃撃戦になる。そのシーンで、民衆が「民衆の歌」を力強く歌う。その日本語訳は 戦う者の歌が聴こえるか
鼓動があのドラムと響き合えば
新たに熱い生命が始まる
明日が来たとき そうさ明日が
映画のそのシーンの映像→ https://www.youtube.com/watch?v=qSg4D8fleTw
Classic Car Rally
毎年行われるクラシックカー・ラリーは、往年の名車が横浜市内を走るラリーで壮観なイべントだ。なかでもいちばん人気は「ブガッティ」だ。数年前に見物したときは、ブガッティが3台くらいエントリーしていた。1920 年代のイタリアの小型2シーター・オープンカーで、馬蹄形のラジエーターグリルが特徴のおしゃれな車だ。ドライバーもレトロなドライバー服でコスプレして楽しんでいる。
IKEDA Manabu 「Meltdown」
池田学が東日本大震災の津波をテーマに描いた「再生」について前回書いた。池田は同じ頃、福島原発のメルトダウンをテーマにした「Meltdown」を発表している。この絵も自然の強大な力によって破壊されつつある人間の文明の危うさを描いている。アポカリプス的世界観は池田の全作品に共通している。
「Meltdown」は宙に浮いた巨大な岩のかたまりが、坂の途中に不安定に止まっている。その岩の上に人間の文明が築かれている。そこには工場があり、人間の居住区もある。それらは岩にこびりついたフジツボのようだ。
池田学の原発の事故をテーマにした「Meltdown」も、原発というヒューマンスケールを超えた神をも恐れぬ技術が、神ならぬ津波という自然の怒りをかって罰を受けたという寓意が込められているにちがいない。
Manabu Ikeda 「Rebirth」
連日 TV で千葉の洪水の映像を見ていて、池田学の絵画を思い出した。個展「The Pen」展(2017 年)のなかで、東日本大震災の津波をテーマにした代表作「再生」があった。図録の表紙(右図)にも使われている。Inbanuma
今度の台風で千葉県が大きな被害を受けた。特に佐倉市周辺が浸水でひどかったようだが、原因は雨で印旛沼の水位が上がり、堤防が決壊し、溢れた水が周囲へ流れたためだったようだ。印旛沼へは何度も行ったが今までにそんなことは一度もなかった。周囲は見渡す限りどこまでも田んぼが広がっている。特に何もない、静かな田園風景が好きだった。そんな風景を眺めながら印旛沼で獲れた鰻を食べることができる美味しい店があるのも行く目的だった。
印旛沼へ雨の日に行ったこともある。ジトジトと降り続ける暗い日だが散策をしていると、朽ちた舟があった。もちろん今度の台風のように増水して水没したわけではない。
Vermeer "Geographer"
15年ほど前にあった「フェルメール『地理学者』とオランダ・フランドル絵画展」の図録で、フェルメールの『地理学者』について詳細な解説がされている。Dementia Movie
昨日 9 / 21 は敬老の日だったが、「認知症の日」でもあるとは知らなかった。自分も ”認知症適齢期” だから認知症には関心があって、認知症がテーマの映画をよく見てきた。そんな映画について今までも書いたが、改めてまとめて紹介してみる。すでに認知症の人や、身近に認知症の人がいる人、あるいは認知症が心配な人に多少の参考になるかもしれない。
・・・認知症になっても生きがいを失わない前向きな映画・・・
・・・認知症の老人が現実の世界へ戻っていく・・・
Stone Arch Bridge
大分へ石橋を見に行ったことがある。宇佐市の院内という地区には、100 近くの石橋が集中している。すべてがアーチ型の石橋で美しい。渓谷が多い地形で、川が急流のため、頑丈な石橋が作られたという。江戸時代から明治大正にかけて作られものだが、現在も現役で使われている。関東にはアーチ型の石橋は滅多にないが、大分へ行ったらおすすめのスポットだ。
Emmanuel Todd
今月出たばかりのエマニュエル・トッドの「なぜ日本が世界に必要なのか」をさっそく読んだ。前著の「西洋の敗北と日本の選択」に続いて、これからの日本が進むべき道を提言している。著者の一貫した主張である「西洋の敗北」とは、これまで世界を支配していた「自由主義的西洋」が崩壊しつつあるという意味だ。そのことが現在のアメリカに顕著に現れている。産業やモノづくりをおろそかにした結果、経済力と国力が衰えたアメリカはウクライナ戦争やイラン戦争など戦争で覇権を維持しようとしている。しかもその戦争に敗北しつつある。
著者は、すでに第3次世界大戦は始まっているとしている。そして敗北しつつあるアメリカが日本を助けてくれることは絶対にない。だから日本は自力で国を守るために、アメリカ依存をやめて自立し、「核武装」すべきだというのが著者の一貫した主張だ。そのことが日本のためだけでなく、「世界の平和」に貢献することになるとしている。
「核武装」論については議論のあるところだが、歴史家として日本の歴史と文化を深く研究している著者の言葉は示唆に富んでいる。そして最後でこう言っている。「私はこの本で、日本を愛しているフランス人として、日本人が密かに思っていても口に出せないことを代弁する役割を果たしたつもりだ。」
AI
AI について今まで何度か書いてきたが、それらをまとめてみた。
▪️AI に「月曜日とは何ですか?」と聞くと「日曜日と火曜日の間の日です」と答える。それで「そんな当たり前のことを言って、AI さん、あなたバカじゃないの?」というとAI は「 申し訳けありません。人間の常識の範囲がどういうものかわからずに、単に言葉の上の定義だけで答えてしまいました。」と謝まった。
▪️AI 囲碁ソフトはプロのトップ棋士も負かすくらい強くなっている。しかし自分がパソコンでAIと対局すると100%勝てる。わざとメチャクチャな手を打つと、AI は混乱してしてしまって初心者以下の手を打ってくる。AI は人間の打った棋譜をすべて記憶していて、それをもとに勝つ確率の高い手を打つ。しかし囲碁というゲームの本質を理解しているわけではないので、セオリーに反する手を打たれると、対応がわからず頭が狂ってしまう。
▪️ある映画についてどう思うかをAI に聞いてみたら、世の中に出回っている映画評論をまとめただけで、独自性が全くない。それで「AI さんの言うことはちっとも面白くないですが、自分で映画を見て、その映像やストーリーから感じたことを言っているんですか?」と聞く。すると「申し訳けありません。私は映画を実際に見ているわけではなく、たくさんの論評を字で読んで、それをまとめているだけです。自分の感性で感じたり、考えたりするのは人間だけができることで、私にはその能力はありません。」とこれまた正直な答えが返ってきた。
▪️「美味しそうな料理が並んでいる楽しい食卓の画像を作ってください。」というと、ネットから拾ってきたような写真を出してきた。それで「こんなありきたりの画像でなく、もっと絵画的な感情のこもった画像を作ってください。」というと「すいません、絵画的なというと例えばどんな絵ですか?ゴッホのようなとか、モネのようなとか例をあげてくれると助かります。」と言うので「ピエール・ボナールのような絵を。」と言った、すると「ああピエール・ボナールですね。ボナールは光や色彩の美しさで食卓の楽しさを描きましたね」と分かったようなことを言ったが、結局出してきた画像は最初の画像をちょっと加工しただけだった。AI は最初の写真から離れて、オリジナルの画像を作ることはできなかった。
夏の日の早朝に、高原などの標高の高いところへ行くと霧に出会える。伊豆高原の別荘地の霧の朝を描いた。(遠くに見えるのは自分の車)
Arctic Map
トランプ大統領が「グリーンランドをアメリカの領土にする」と言って世界中からひんしゅくを買っている。アメリカとロシアが向かい合っている北極海にあるグリーンランドはアメリカ本土防衛の最前線になっている。特に近年は地球温暖化で、北極海が航行可能になり、アメリカ本土がロシアの軍艦からのミサイル攻撃の射程内に入るようになった。トランプのような考えは、北極を中心とする地図があって初めて気づくことで、通常の世界地図からは気付かない。昨日書いた「世界をまどわせた地図」は、現実とは違うウソの地図を収録している面白い本だが、その中に17世紀の北極圏の地図が紹介されている。
1606年に描かれた北極点を中心にした地図。円の周辺右側がユーラシア大陸で、左側がアメリカ大陸だが、中央に大きな島(黄色部分)が描かれている。この島はもちろん実在しないが、島の真ん中に丸い内海がある。その内海の中央に山が描かれている。これは「黒い岩」と名付けられている。
当時は、北極には磁石でできた巨大な山があると考えられていた。方位磁石が北を指すのは、その山の磁力によるといわれていた。その山がこの「黒い岩」だ。
岩のふもとの内海には巨大な渦が巻いていて、そこで海が割れて大洋の海水が吸い込まれる。その海水は、地球を通り抜けて、南極から噴き出すと考えられていた。
The Phantom Atlas
「世界をまどわせた地図」という本が面白い。古い時代の、現実とはかけ離れたとんでもない地図を収録している。
伝説に伝えられている島を探そうと航海に出かけた冒険者たちが、そんなものは見つからなかったにもかかわらず、それを発見したと言って、その詳細な地図を作った。ペテン師たちの、功名心や金儲けのための嘘の地図だった。
しかし世界に関する正しい情報が少ない時代に、それらの地図は何世紀にもわたって受け継がれて、そこに描かれた世界が真実だと信じられ続けてきた。
それに対して朝鮮半島はニンジンのような形の島になっている。島の南端は「泥棒たちの岬」と表記されている。この海域には海賊が暗躍しているという当時の噂を反映していた。
面白いのはその「蝦夷島」の右に巨大な島が描かれている。(左半分だけが見える)その島は「カンパニーズ島」と名付けられている。ある貿易船の船長が、日本の北で島を目撃したという証言したのがそのまま地図に載ってしまった。
その島には、金と銀が豊富にあるという噂が生まれ、日本の東のどこかにあるという幻の島を見つけようとする冒険家がたくさん現れた。しかしそんな島は見つからず、それが嘘だと証明されたのはなんと18世紀になってからだったという。100年以上も「世界をまどわせた地図」だった。
Brutalist
去年のアカデミー賞を受賞したが、劇場での公開があっという間に終わってしまったため、見逃していた「ブルータリスト」が NETFLIX で始まり、やっと見ることができた。ハンガリーのユダヤ人建築家が、ホロコーストを逃れて、アメリカへ亡命する。建築や家具のデザインをするが、そのアメリカンドリームの成功と挫折を描いている。戦後、コンクリート打ちっぱなしの無骨なデザインの「ブルータニズム」の建築が流行ったが、そういう建築家は「ブルータリスト」と呼ばれた。主人公もその一人で、題名はそこからきている。
主人公は実在した人物ではなく、特定のモデルはいない。しかし、戦前にバウハウスで建築を教えていたユダヤ人で、アメリカへ亡命したマルセル・ブロイヤーがモデルに近いのではないかと思う。登場する作品は架空のものだが、バウハウスのデザイン思想に沿っている。たとえば、主人公が読書用椅子のデザインをするが、マルセル・ブロイヤーが始めたパイプ家具の考え方を踏襲している。