Flag Desecration Law
「国旗損壊罪」が国会で成立したが、アートにおける表現の自由との関係がよく問題になる。
アメリカの例で有名なのは、ジャスパー・ジョーンズの「星条旗」で、汚れたアメリカ国旗が画面いっぱいに描かれている。!950 年頃の作品で、当時全盛のポップアート作品だと本人は言っているが、政治的メッセージが込められていると解釈されることが多い。その時代はマッカーシズムが吹き荒れて、アメリカの民主主義が危機的な状況だったからだ。
日本ではこんな作品がある。国旗の布を糸にほぐしていて、国旗を「損壊」しているといえばしているが、これは「損壊罪」にあたるのかどうか?
なおアメリカで「国旗損壊罪」ができるきっかけになったアート作品がある。(以下は今年2/ 21 投稿の再掲)
「文化戦争 - やわらかいプロパガンダがあなたを支配する」(N. Tompson)という本は、芸術などの文化が、社会や政治に与える影響について書いているが、そこにアメリカで起きた、星条旗をモチーフにしたアート作品が物議をもたらした事件について触れている。
ドレッド・スコット・タイラーというアーティストが、1989 年にシカゴ美術館の展覧会に出品した「星条旗の適切な掲げ方は?」というインスタレーション作品が猛烈な批判を浴びた。
壁に、人種差別に抗議するデモで星条旗が燃やされている報道写真が貼られていて、その下に作品への感想を書くノートが置いてある。その手前の床には本物の星条旗が置かれている。ノートに書き込むためには国旗を踏みつけなくてはならない仕組みになっている。自身がマイノリティであるアーティストの、アメリカの人種差別に対する抗議が込められている。
多くの国民が星条旗への冒涜だとして激怒し、ブッシュ大統領も「けしからん」と非難し、議会は「国旗損壊罪」の法律を成立させたという。本の著者が指摘しているのは、芸術という「文化」が、政治権力者の武器として使われることと、一方でアーティストが自分を売り出すための道具として「文化」が使われるという「文化戦争」の実態だ。
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