2026年7月8日水曜日

「アメリカの進歩」という夢

Columbia leading western expansion

先日 BS で「建国 250 周年の米国  トランプ大統領がもたらした功と罪」という番組をやっていた。連日報道されるトランプ大統領の言動を見るにつけ、自由と民主主義の国アメリカがこれからどうなってしまうのかというテーマを深掘りしていた。

そのときコメンテーターの一人がこの絵を紹介していた。西部開拓時代の1872年にジョン・ガストという画家が描いた絵で、「アメリカの進歩」という題名だそうだ。


西へ向かって女神のような女性が空を飛んでいる。それに導かれて、地上では開拓者の馬車が西へ進んでいる。この絵はおおきく明るい右半分と暗い左半分に分かれている。明るい右半分ではすでに人が定住して畑を耕している。遠くには線路が見え列車が走っている。その手前では電信線の建設が進んでいる。左の暗い部分には先住民のアメリカン・インディアンが土地を奪われ逃げている。

面白いのは、女神のような女性が、右手に教科書を持っていて、左手には建設中の電信線の先端を持っていること。文明を象徴する教科書と電信によって、野蛮人が住む未開の地に文明を広げることが、「アメリカの進歩」だとアメリカ人は考えていた。

だから現在ではこの絵は、先住民族や黒人の差別を賛美しているとして、否定的に捉えられるようになっている。ところがトランプ政権になると、この絵が政府の公式 HP に掲載されるようになったそうだ。外国移民の排除を強力に進めるトランプ大統領の政策を正当化するためだという。しかもそれを多くのアメリカ人が支持しているそうだ。絵に描かれた光と闇の分断が、今また再現されつつあることを同番組は指摘していた。


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