Perspective in Edo
佐竹曙山は秋田藩主でありながら画家だった。油絵を学び洋風の絵を描いた。代表作の「湖山風景図」で、手前の松を大きく描き、遠近感を強調し、松の幹には陰影がつけられ立体感がある。浮世絵などの日本絵画になかった遠近法と陰影法を取り入れている。「空間を描く遠近法」(黒田正己)に曙山の遠近法についての解説があるが、それによると、彼はオランダからもたらされた情報をもとに西洋絵画を学んでいて、遠近法についても研究していた。そして「画法綱領」と「画図理解」という遠近法の解説書を書いたが、これが日本人が書いた最初の透視図法の本だったという。
その本は、在来の日本の絵はただ美麗を尊ぶだけで、写実の重要性を知らず、立体を描かないと批判している。その上で、「近きは大、遠きは小」などの遠近法や「明暗によって遠近高低を表す」などの陰影法を教えている。
右は、この本に示されている「八分乃一図」という説明図の例。人間の視野角は、上方8分の1=45 ° であることを示している。
そしてこの図でもっとも重要なのは、「近きは大、遠きは小、眼力尽きて視る能わざる所地平線なり」」と言っていることで、眼力が尽きて見えなくなる所とは消失点のことで、それが地平線上にあること、そして地平線は見ている人の目の高さ=アイレベルと同じであるという、遠近法の基本中の基本をこの図で示していることにある。
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