「The Last Samurai」
徳川幕府が終わり、明治が始まった直後、まだ旧幕臣が新政府に抵抗する内戦が続いていた。映画「ラストサムライ」はその時代に、最後の闘いをして消えていったサムライたちの美学を描いていた。映画では、主人公のサムライ(トム・クルーズ)は日本人ではなく、アメリカ人となっていたが、そのモデルは、ジュール・ブリュネという実在したフランス人で、幕府の軍事顧問だった人だといわれている。政府軍はイギリスの援助を受け、大砲や機関銃などの近代兵器で武装しているが、反政府軍のサムライたちは昔ながらに、刀を抜いて突撃するだけだからバタバタと死んでいく。そして主人公が最後の一人になった・・・
この映画の背景になっている当時の歴史的状況は以下のようだった。
幕末に、欧米の軍艦がたびたび日本周辺に現れたが、薩摩藩は日本が侵略されるのではないかという危機感を抱いていた。それで薩摩藩は欧米の近代的兵器を導入して軍備をしていた。そしてイギリスの軍艦が鹿児島湾に入ってきた時、砲撃をして戦闘になった。これが有名な「薩英戦争」だ。イギリスは日本の軍事力の高さに驚いたが、同時に薩摩藩も欧米式の兵器の重要性を痛感した。それで薩摩藩は排外主義をあらためで、イギリスとの友好関係を築いていく。まもなく薩摩藩を中心とする反幕府の勢力が、イギリスの武器支援を受けて勢力を伸ばし、明治新政府の樹立にいたる。そして明治政府になってもこのイギリスとの関係は続いていく。
「ラストサムライ」は、サムライの日本が近代国家になる瞬間を描いた歴史映画だ。映画のラストでとても印象深いいシーンがあった。イギリスとの友好条約を結ぶための天皇臨席の会議の場面だ。そこにイギリスのハリー・パークス公使が実名で登場していた。彼は薩摩藩以来イギリスの軍事技術を日本に売り込んできた人物だ。するとそこへ突然、主人公のラストサムライが飛び込んでくる。政府に逆らった自分を処罰することを天皇に願い出る。すると若い明治天皇は、ラストサムライを称えながら言う。「我々は外国から大砲や機関銃を手に入れた。しかし日本人は武士道精神の魂を忘れてはならない。」
0 件のコメント:
コメントを投稿