2026年6月8日月曜日

映画「レベッカ」と肖像画

「Rebecca」 

映画「レベッカ」の NETFLIX 版を見た。1940 年のヒッチコックの名作「レベッカ」のリメイクだが、ほぼ同じ脚本になっている。

世間しらずの若い女の子がいきなり大富豪の貴族と結婚する。妻として初めて男の家に行くと、そこは何百年もたつ幽霊屋敷のような古い大邸宅で、部屋の壁には至るところに先祖代々の肖像画が飾ってある。そして夫にはレベッカという名前の前妻がいて、数年前に事故で死んでいたらしいことを、新妻はおぼろげに気づき始める・・・

ある夜、邸宅で仮装舞踏会が開かれる。若い妻は、壁に掛かっている前妻レベッカの肖像画と同じ真っ赤な衣装を着て現れる。まるで額縁から抜け出してきたかのようだ。夫を喜ばせるつもりで無邪気にやったことだが、それを見た夫の表情が凍りついてしまう。この瞬間からストーリーは急転し、レベッカの「妄想」をめぐる真相が暴かれていく・・・

この有名なシーンは映画の中で重要な意味があるのだが、それについて西洋美術史家の岡田温司氏は「映画は絵画のように」の中で、「肖像画」の持つ意味についてこう解説している。

「・・すでに死んでいるにも関わらず、肖像画の存在は主人公たちに取り憑き、場合によっては呪縛さえする。・・それゆえ肖像画はしばしば、不在と現前、死者と生者の境界線上に位置づけられてきた。・・映画『レベッカ』で、大邸宅のいたる所にレベッカの亡霊が跳梁していてヒロインを悩ませる、この映画は、肖像画がもたらすこうした不気味な効果を最大限に活かしている。・・」

ヒッチコック版の「レベッカ」でも、壁に飾られた肖像画のレベッカに
なりきっていると確信したヒロインが得意満面の笑顔を浮かべている。

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