2026年3月11日水曜日

歪んだパース

Perspective


最近 SNS で、スケッチ・テクニックの解説のような投稿を見かける。感心するものも多いが、なかには怪しげなものがある。 最近見かけた遠近法の説明図(下左図)も変だ。

建物の手前のいちばん上の角が鋭角になっているが、実際にこんなふうに見えることはあり得ない。遠くから建物へ近づいていくと、鈍角だった角がだんだん鋭角になっていく。そして建物にドンとぶつかったとき真上を見上げると角は 90 ° になる。しかし 90 ° 以下の鋭角になることはない。

二つの消失点を結んだ線を直径とする円から外へ出てはいけないというのがパースの鉄則だが、右図のように円を描いてみると、この建物は円から大きく外れていることがわかる。


このことは透視図法の教科書に下図のように説明されている。左の図で、正方形のタイルが敷き詰められた地面で、円の外に出ている一番手前のタイルは、大きく歪んでいて、とても正方形には見えない。作図上で描くことは可能だが、現実にあり得ない。

右図はその理由の説明で、本を横から見ていて、本が下に下がるほど本の手前の角は 90 ° に近づいていく。そして真下になるとき 90 °になる。しかし無限の遠くまで本が下がったとしても、 90 °以下になることはない。

(図:「Perspective   A New System for Designers」より)

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