最近の TV 報道によれば、若い女の子たちが、ダイエットのために、糖尿病治療薬を飲んでいるという。この薬で食欲を減らす効果があるそうだ。「痩せているのが美しい」というジェンダーバイアスのさいたるものだ。メディアで目にするタレントなどのイメージが自分の中でどんどん蓄積していき、それらと比べて自分は太りすぎていると不満を覚えるようになる。
これについて『文化戦争 やわらかいプロパガンダがあなたを支配する』という本に面白い話しが出てくる。1929 年にニューヨークで行われた復活祭のパレードで、スタイルの美しい女性たちが堂々と「ラッキーストライク」のタバコを吸った。それは当時の社会的タブーに対する挑戦だった。このことが新聞に大々的に報じられたことで、ジェンダーと喫煙についての社会通念が覆され、女性の自由を求めるという世論が盛り上がったという。
ところが実はこれは、広告会社が仕組んだ PR 戦略のパーフォーマンスだった。この時代の女性のいちばんの関心事が痩せることだったが、タバコには食欲を抑える効果があるという証言を医師にさせた。そのことを上記のパレードで実際に目に見えるかたちにした。そのおかげで「ラッキーストライク」は大儲けした。
「痩せているのが美しい」という情報を人々に刷り込ませるのに、 TV などのメディアが強い影響力を持っていることを示している。そして現在ではネットメディアによって人々は動かされている。ダイエットのために糖尿病予防の薬を飲んでいる女性は SNS でその情報を得たと言っていた。そして今、若い女性だけでなく、高齢者もネットで、健康長寿に効く食事や生活習慣の情報を必死になって探したりしている。
0 件のコメント:
コメントを投稿