2026年1月6日火曜日

図書館のイメージ 映画と絵画

Image of Library
 
前回書いた、映画「ベルリン・天使の詩」の中で登場する「ベルリン国立図書館」に触れたので、そのついでに他の映画や絵画に登場した図書館をあげてみる。時代によって図書館とはどういうものだったかがわかる。


2019 年のドキュメンタリー映画「ニューヨーク公共図書館」がすごかった。蔵書が 6千万冊というから世界一の図書館だろう。ローマ建築を思わせる壮大な外観で、内部は宮殿のような豪華さだ。書棚はほとんどないかわりに、閲覧室が広大なので、閉架式図書館なのだろう。日本でも「国会図書館」が閉架式で、借りる本を係員に申し込んで出庫してもらう。そして館外貸出はないので、館内で読むための広い閲覧室が必要になる。

映画「ゴースト・バスターズ」でもこのニューヨーク公共図書館が登場した。一般の人が入れない書庫にバスターズが入って幽霊を退治するというストーリーだが、創立100 年以上の図書館で古い本が並んでいる薄暗い書庫がいかにも幽霊が出そうで面白かった。

近代的な図書館が始まったのは、啓蒙時代と呼ばれる18 世紀で、各国の王室が強大な国家権力を誇示する場としての図書館を作った。これは「ウィーン宮廷図書室」を描いた絵画で、壁びっしりに本で埋め尽くされている。古今東西のあらゆる「知」を集積した図書館は権力の象徴だった。


同じく18 世紀のエティエンヌ=ルイ・ブレーという建築家が描いた図書館の絵は有名だ。「パレ・ナシオナル」という架空の国立図書館で、権力の象徴のイメージで描いている。遠近法を強調した目もくらむような広大な空間に本がびっしり並んでいる。空想というより妄想の図書館だ。


時代をさかのぼって、中世の図書館は修道院の中にあった。印刷術が発明される以前で、修道僧が写本をしていた。それらの本には例えばギリシャ時代の哲学書などもある。その自由思想は、キリスト教の教義で人々を縛っていた教会にとって不都合だった。だから中世の図書館は本を読ませる場ではなく、本を隠す場だった。映画「薔薇の名前」はそのような中世の図書館を題材にしていた。修道院の中の図書室は迷宮のようで、入ることができない。


さらに時代をさかのぼると、世界最古の図書館はローマ時代のアレクサンドリアにあった。映画「アレクサンドリア」は、その図書館を題材にしていた。それは大学(これも世界初)に併設されていた。本はまだ巻物だが、今と変わらない図書館だ。勢力を伸ばし始めたキリスト教の暴徒が図書館を襲撃して火をつける。天文学者の女性大学教授(実在した人物)が本を必死で持ち出そうとする。科学を否定するキリスト教が世界を支配し、暗黒の中世になっていく時代の始まりを描いた映画だ。

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