The Adoration of the Magi
前回書いた映画「サクリファイス」のオープニングで、レオナルド・ダ・ヴィンチの「東方三博士の礼拝」の絵の一部分がアップで映し出される。聖書のイエス・キリストの生誕の物語を描いている絵で、祝福する人たちがキリストを抱いた聖母マリアを取り囲んでいる。
映画「サクリファイス」は、核戦争で滅びる運命の人間の恐怖を描いている。人々は神の救済を求めて祈る。そのとき登場人物のひとりである「マリア」という女性に救いを求める。その「マリア」はこの絵の「聖母マリア」に重ねられている。だから映画全体のテーマを象徴するものとしてこの絵を使っている。
上がダ・ヴィンチの絵の全体。下半分は祝福する人たちで埋まっているが、背景には戦争で破壊された教会があり、まだ戦闘を続けている人たちがいる。映画「サクリファイス」は核戦争が始まり、滅びる運命の人間を描いているが、この絵にそれを象徴させている。「黙示録」は、人類の「終末」と、救世主キリストによる「救済」の物語だが、この絵はそのヴィジョンを視覚化している。
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