Vermeer's Camera
フェルメールの「信仰の寓意」という絵で、女性の頭の上に、ミラーボールのような球の鏡が吊り下がっているのが見える。この球面に部屋の状態が反射している。
フェルメールの絵について詳細な研究をしている「フェルメールのカメラ 光と空間の謎を解く」という本は、フェルメールのアトリエの形を遠近法から割り出して、その実物大の模型を作って部屋を再現し、それを写真に撮り、絵と比べるという実験を行なっている。そのことによってフェルメールの絵がいかに遠近法的に正しいかを立証している。
この絵の場合も、実物大模型の部屋の中に家具などとともに球の鏡も配して写真を撮り、鏡に反射した像の正確さを調べている。その結果が下図で、上はフェルメールの絵で、下は写真だが、完全に一致している。フェルメールがいかに細部まで正確に描いているかがわかる。
なおこの「フェルメールのカメラ 光と空間の謎を解く」という本の著者はイギリスの建築家で、フェルメールの絵を美術的というより科学的に研究している面白い本で、以前に紹介をしているので参考まで。→ https://saitotomonaga.blogspot.com/search?q=フェルメールのカメラ
0 件のコメント:
コメントを投稿