Smartphone Idiot
スマホの使いすぎで「スマホ馬鹿」になるというのは、今や常識になっている。スマホ使用制限を法律で定めようとする国も増えてきた。スマホ依存になると、子供の場合は成績が悪くなり、大人の場合は認知症になりやすい。最近出た「スマホはどこまで脳を壊すか」という本で、脳科学者の著者が、スマホ依存の害を科学的に説いている。脳の領域のなかで「前頭前野」という部分が、何かを考えたり、理解するような、「認知機能」を担当している。ところが、この前頭前野は加齢とともに萎縮しやすい。そのため、高齢者は認知機能がどんどん失われて、認知症になりやすいという。
脳の萎縮を防ぐには、脳の運動不足を防ぐこと、つまり「脳を使うこと」に尽きると著者は言う。ところがスマホを使うとき、手間をかけずに情報を得られるので、人間は「脳を使っていない」状態だという。そのことを以下のような実験で立証している。
ある難しい言葉を与えて、その意味を調べるという課題を、被験者を二つのグループに分けてやらせる。一つはスマホを使って調べるグループで、他方はスマホ以外の紙メディアを使って調べる。その間、脳波を測定して、脳の活動状況を調べる。するとスマホのグループは、スマホがすぐに答えを出してくれるから、人間の脳は全く働いていない。いっぽう紙のグループはあれこれ調べてそれらを総合して答えを出さなければならないので、脳は活発に活動する。
つまりスマホを使っている間、脳は寝ているのと同じ。だから、何かというとスマホに頼るスマホ依存の人は、脳の機能をスマホに「外注」しているようなものだという。著者は「ラクをするな、頭を使え!」と言っている。
0 件のコメント:
コメントを投稿