The Pale Rider
デューラー展にあった「4人の騎士」は、聖書の「ヨハネの黙示録」のビジョンを描いている。4人の騎士はそれぞれ、武器を持って馬に乗り、人間を襲っている。人間に厄災をもたらす恐ろしいものが現れるという、黙示録の予言を絵にしている。
4人のうちの、「蒼白い騎士」 (図左下の赤線)が「死に神」で、デューラーは、この絵を描く前に、「死に神」の習作スケッチを描いている。骸骨姿で人間を狩る大鎌を持ち、痩せこけた馬に乗っている。人間を倒した死に神は、次の獲物を狙っている。
デューラーが描いたこの「死に神」は、後々の時代まで多くの影響を与え、いろいろな画家が、さまざまな形の「死に神」を描いた。「黙示録---イメージの源泉」(岡田温司)にそのような作品を紹介しているが、19 世紀のターナーまでが「死に神」を描いたそうだ。それがこの「蒼白い馬に乗る死」という絵。ターナー独特の、モノと空気が溶け込んで、輪郭がはっきりしない絵だが、馬の背中に骸骨の「死に神」が仰向けに乗っている。右手の骨は虚空をつかもうとしている。
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