「The Emissary」 Yoko Tawada & Painter Shiori Horie
明日(10 / 8)は、ノーベル文学賞の発表の日だ。日本人で候補とされているのは、万年候補の村上春樹と、ここ2〜3年で名前があがるようになった多和田葉子だ。多和田の代表作「献灯使」は、核戦争か何かで文明が崩壊した未来を舞台にして、生き残った老人と少年の物語というディストピア的世界を描いている。この本の表紙の絵(右図)を描いたのは堀江栞という新進画家だ。ハシビロコウという立っているだけで動かない鳥と、不安な表情の人間を合体させていて、多和田の小説を視覚化している。4年前に神奈川県立近代美術館で堀江栞の個展があったが、この絵の原画もあった。
展示のひとつ「後ろ手の未来」という2mくらいの大作が強烈だった。囚人服のような同じ衣服を着て、性別も不明な若者たちが抗議するような眼でこちらを見つめている。抑圧された、未来のない社会の閉塞感と、それにあらがう個人、という現代的なテーマを描いている。
これでわかるように、多和田葉子の小説と、堀江栞の絵画は、ディスピア的世界観という点で完全に共通している。
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