2026年4月23日木曜日

ブルーノ・ムナーリ展

Bruno Munari 

ブルーノ・ムナーリ展(神奈川県立近代美術館、2018年)の図録を見返しているが、改めてグラフィック・デザインだけでなく、多方面にわたった造形活動の全貌を見ることができる。前回書いた子供のお絵描き教育のための本「木をかこう」もそのひとつだ。

工業デザインにも携わっていて、灰皿のデザインは有名で、日本でもよく見かけた。シンプルなキューブの形は、オリベッティやアレッシのデザインと共通するイタリア的造形感覚が魅力的だった。


単なるデザイナーでなかったムナーリは様々な造形活動を行ったが、そのひとつの金網による造形作品が出ていた。金網を加工して金網の半透明性を生かした造形をするものだが、むかし学校で同じ課題をやったことを思い出した。日本の造形教育もムナーリの影響を受けていた。(左はムナーリで、右は自分の作品)


本業のグラフィック・デザインでは、雑誌の広告、ポスター、本のイラストレーションなど、が網羅的に展示されていたが、かえって最近の作品で初めて見るものが多く、興味深かった。なかでもムナーリにとって最大のテーマだった「文字」に関する作品が面白かった。これは「ABC を組み立てよう」という子供の教育玩具で、積み木がアルファベットのパーツになっていて、それを組み立てて文字を作る。

「文字」に関するデザインでは、単なるグラフィック・デザインを超えて、ビジュアル・コミュニケーション・デザインに重点が移っていった。読む情報である「文字」と、見て理解する「図像」の情報との関係を研究している。「未知の国の読めない文字」シリーズは、読めない外国の文字から何らかのイメージを喚起させようとする実験だ。もともとそういう性質がある漢字もモチーフにしている。


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