Landscape of city
「表通り」の角を曲がって「裏通り」へ入ると、違った風景がある。そんな映画を3つ。
「ALWAYS 三丁目の夕日」は、経済成長時代の東京に集団就職してきた若者の話。豊かな生活を夢見てきたのに、現実は厳しい。「上を向いて歩こう」の時代だが、上を向くと見えるのは日々高くなっていく建設中の東京タワー。それに託して自分の「ささやかな幸せを願ってる」しかない。近代化のシンボルである東京タワーが近くに見えているのに、自分の住む街はそれと無縁な「裏通り」だ。
「ティファニーで朝食を」は、田舎から出てきた女の子が、金持ちの男との結婚を夢見ている。マンハッタンの「表通り」の高級宝石店ティファニーで朝食をとるのが憧れだ。だが夢は破れて、誠実だが地味な男と結ばれる。そのシーンが、車が行き交う表通りから横に入った生活感の溢れる「裏通り」だ。誰もが上を目指して夢を見ていた時代の物語だ。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」は、ニューヨークの下町ブルックリンが舞台だが、そこからブルックリン橋が見える。この橋はニューヨークのランドマークであり表の顔だ。そのそばの「裏通り」に住む貧しい移民の悪ガキたちが悪さばかりしている。やがて彼らは大人になり、マフィアのボスになっていく。闇の世界ではあるが、アメリカンドリームの成功物語だ。
3つの映画が共通して描いている都会の風景は、豊かさのシンボルである「表通り」と、それとコントラストをなす「裏通り」だ。表通りを目指して生きる人間の姿をその風景に投影させている。
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