2025年3月16日日曜日

線画の見え方 

J. J. Gibson

認知心理学者のギブソンの「生態学的視覚論」は、人間が世界をどう知覚しているかを研究した名著だが、その中に「画像による表現」という章がある。

そこに「線画の原理」ということが書かれている。線画を見た時、人間は、線そのもので形を理解しているのではなく、線と線との結びつき方で物の形を理解している。下図で、1.は立方体の箱だとわかる。2.はフタの開いた箱だとわかる。しかし3.はあり得ない形で、どう解釈していいかわからない。4.はさまざまな形に理解できる。例えば、ガラスの箱であったり、針金細工の立方体に見えたりして曖昧だ。


だから矛盾する線と線の結びつき方をさせることで錯視図形を作ることができる。下図で、手前は3本の丸パイプだが、後ろの方はコの字形の角パイプになっている。



エッシャーの絵のトリックは、この原理を応用したものだ。「物見の塔」のトリックは、有名な錯視図形の「ネッカーの立方体」で、絵の左下に、その立方体を持っている若者を描くことで、エッシャー自身が絵のタネ明かしをしている。



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