2025年3月14日金曜日

絵画の教科書「カラー&ライト」

 James Gurney「Color & Light」

前回、ジェームス・ガーニーのファンタジーアート絵本「ダイナトピア」の紹介をしたが、彼はイラストレーターであると同時に画家でもある。その画風は徹底した写実主義の、いわゆる「アメリカン・リアリズム」だ。

彼は「カラー&ライト」という絵画の教科書も書いている。副題が「リアリズムのための色彩と光の描き方」となっていて、「色」と「光」を中心にして、絵画の基本を系統的に説明している、とても役に立つ本だ。また、自身の作品を作例に使っているので、ガーニーの作品集としても楽しめる。

その中の「光源」という章では、「季節」「天候」「時間帯」などによって変わる光をどう描くかについて説明している。以下はその一例。


「冬の午後」は、雪のある寒々しい風景だが、日が傾きかけた午後の、弱々しいが暖かい光が差し込んでいる。その空気感が伝わってきて絶妙だ。


「ニューヨーク州リーズ」という作品で、光と影の強いコントラストが、真夏の強い日差しを感じさせる。また光の部分を暖色に、影の部分を寒色にしているのも定石どうり。


「暮れ残る空」は、日没前の暗くなり始めた街路の風景だが、陰になっていない建物の2階はまだ光がさしている。昼と夜が切り替わる時間帯の一瞬の光を捉えている。


「雨のニューバルツ」は、雨の日の街並みだが、全体的に色がグレイッシュで、光と影のコントラストが弱い。また逆光の構図が、雨の日のどんよりした空気感を出して効果的だ。


「キャッキルズを望む」は、春がすみの風景。太陽光が霞で乱反射して大気が白っぽくなる。その大気を通した光で、遠景にいくほど明るく、かつ色のコントラストが弱まっていく。



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