2023年12月11日月曜日

映画「メンフィス・ベル」に思う

 「Memphis Belle」

あまり有名でないが、「メンフィス・ベル」(1990 年)というアメリカ映画がある。第二次世界大戦中に、ドイツを爆撃したアメリカの爆撃機の搭乗員たちを描いた戦争映画だが、この中に都市を爆撃する時の彼らの葛藤が出てくる。

ある出撃の日、厚い雲で視界が悪い。爆弾投下を強行すると一般市民を巻き込んでしまうから、雲が晴れて、標的の軍需工場が見えるまで飛び続ける。その間、ドイツの迎撃戦闘機の猛烈な砲火を浴びるが耐え続ける・・・

映画は、良心的だった彼らを美談としてたたえている。しかし彼らは特別であって、普通でないからこそ映画の題材になったのだろう。実際、ドイツのドレスデンや日本の東京でのアメリカの無差別爆撃で何百万人もの一般市民が犠牲になった。

実はこの映画はリメイクで、戦争中に同じ題名の映画が作られた。それはアメリカが自分たちは ”人道的” であると言うためのプロパガンダ映画だった。「メンフィス・ビル」の搭乗員たちの勇気ある行動は宣伝に利用されたのだ。

そして究極の無差別爆撃が広島・長崎への原爆投下だったが、いまだにアメリカはその非人道性を認めていない。逆に、戦争を早く終わらせて、一般市民の犠牲者を無くすという”人道的”な目的だったと主張している。

・・・そして今。イスラエルの無差別攻撃で、何十万人ものパレスチナの一般市民が殺されている。しかし即時停戦を求める国際社会の声に背を向けて、イスラエルは攻撃をやめない。それをアメリカは支援し、武器供与も続けている。先日の報道によれば、 12 / 8 の国連安保理で、非人道的な攻撃をやめて即時停戦を求める決議案に各国(日本も含め)が賛成したが、アメリカ一国だけが反対したため否決された。

・・・ついでにいうと、第二次世界大戦でドイツと日本はともに敵対国だったのに、なぜアメリカはドイツではなく、日本に原爆を投下したのか? という疑問に対して、ドイツと違って日本はキリスト教の国でなく、白人の国でもなかったからだ、と説明する歴史学者が少なからずいる。つまり ”人道的” というときの ”人” に日本人は含まれていなかったことになる。真偽はわからないが、もしそうであれば、イスラム国であり非白人であるパレスチナ人を、非人道的なことだとは思わずに殺していることに納得がいく。


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