2023年12月18日月曜日

「ペルシャザルの饗宴」とイスラエル

 Belshazzar's Feast

今イスラエルがやっていることへの国際社会の非難に、イスラエルは背を向けている。我々がやっていることは、聖書に書かれていることを忠実に実行しているだけで何も悪いことではない、と考えているイスラエル人が多いという。聖書とは「旧約聖書」のことだが、今のイスラエル・パレスチナ問題の根源を理解するために、「旧約聖書」についてもっと知りたくなる。

「旧約聖書」は、イスラエル王国の建国から滅亡までの壮大な物語だが、その間イスラエル人がいかに他民族からの迫害にあって、苦難の道を歩んできたかが語られている。その物語は何度も宗教画として描かれてきた。レンブラントはもっとも有名で、旧約聖書を題材にした数十点の作品がある。

「ペルシャザルの饗宴」は、聖書の「ダニエル書」に書かれた一場面を描いている。バビロニア王国がイスラエルを滅ぼして、王のペルシャザルが開いた豪華な酒宴を描いている。何千人もの客を集めて酒をふるまい、金銀の食器はイスラエルから略奪したものだ。すると突然壁に人の手が現れ、解読不明の字を書き始める。捕虜になっていたイスラエル人のダニエルを呼んで読ませると、王は死に王国は滅びるだろうという神の予言の言葉だった。すると実際に王はその日に死んでしまう。やがてバビロニア王国もペルシャとの戦争に敗れて滅びる。これは紀元前500 年頃の史実だという。


イスラエルは滅ぼされても、いつの日か必ず復活して、自分たちの神ヤハウェが諸国を従わせ、世界を支配するだろうという旧約聖書の思想を描いたものだ。そのとうりのことを、今現在イスラエルは実行しつつある。

19 世紀のジョン・マーチンは同じ題材をもっと壮大なスケールで描いた。王宮の中庭で何千人もの人たちが集まっている。遠くの空にバベルの塔が見えるのはまさに「旧約聖書」の世界だ。紙に書かれた予言の言葉を読んでいるダニエルが右下に描かれている。



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