2023年12月13日水曜日

「サラダ記念日」

 

「〇〇の日」、「〇〇デー」、「〇〇記念日」、が最近やたらと多いが、日本記念日協会という団体があって、そこに申請さえすれば、協会認定記念日として登録されるという。いろいろな業界団体が商売の足しにしようとどんどん登録するから、同じ日でも10 個くらいの記念日が重なって登録されている。食肉業界が 11 / 29 を「いい肉」の日にするなど、ほとんどが語呂合わせばかりだ。

俵万智の「サラダ記念日」は、そんな商売目的でなく純粋だった。『この味がいいねと君が言ったから7月6日はサラダ記念日』は一世を風靡した。平易な口語体で、ごく平凡な日々の思いを素直に歌にしていて、短歌の形を一新した。

この歌について俵万智自身が解説していたが、これにはフィクションが含まれているという。実際に恋人に食べさせたのは唐揚げだったそうだが、爽やか感を出すためにサラダに変えたという。日にちを初夏の7月6日にしたのもさわやか感のためだが、といって7月7日では七夕という特別な日になってしまうので、日常感を出すために普通の日にしたという。

あれから 30 年以上たつ。歌集の写真は若々しい。しかし今も「サラダ記念日」は記憶の中に生き続けている。


0 件のコメント:

コメントを投稿