2019年7月18日木曜日

「アルルの寝室」の遠近法

The perspective of  "La Chambre à Arles"

松方コレクション展にゴッホの「アルルの寝室」が出ている。自由奔放な荒い筆致や、形のデフォルメは、「対象の描写」から「内面の表現」へと移行していったポスト印象派の特徴と言われている。

そうだと思うが、しかしこのようなコメントはどうか?
『「アルルの寝室」は、ベッドや椅子などの消失点がバラバラで一致していない。遠近法の無視による空間の歪みが、見るものを不安にさせ、それでいて惹きつけられる魅力になっている。』

確かめてみると多少の狂いはあるが、かなり消失点は一致している。 ゴッホ自身の内面の表現でありながらも、対象を正しく描写するという、それまでの絵画の基本は守っているように思える。

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