2019年7月14日日曜日

「横浜写真」

”Yokohama Photo”

「横浜写真」という言葉があるのを初めて知った。幕末から明治にかけて、開港地横浜で発達した商業写真のこと。外国人写真家が写真館を開設して、日本に来た観光客向けのお土産用の写真で商売していた。西洋人が持っている日本のイメージに合わせた写真を撮ったが、その写真が海外へ行くことで、彼らの日本イメージをさらに増幅させる働きもした。彼らから写真術を学んだ日本人もたくさん写真館を始めた。ちなみに横浜馬車道にある「日本写真発祥の地」の碑は、そんな一人、下岡蓮杖を記念したもの。

写真は、ほとんどがスタジオ撮影で、背景は書き割りが使われ、雪景色では雪の代わりに粉をかけたそうだ。モチーフは、商売人、農夫、女性、などが多かったという。また、白黒写真に彩色するという日本独自の手法が発達したが、これは明治になって失業した浮世絵師たちの技が活かされたものだという。(以上、クラウディア・デランク著「ドイツにおける日本像」より)



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