Street Artist
最近はまったく姿を消したが、ひと昔前か、ふた昔前には「大道絵描き」をよく見かけた。道端で絵を描いて、その場で売って儲ける商売だった。素早い筆さばきでスラスラと5分くらいで描きあげる。どんな風景を描いても、アングルや構図が同じで、決まったパターンで描く。だから早描きができるが、絵画としての価値はまったくない。
日本ではいなくなった大道絵描きだが、パリのモンマルトルには今でもたくさんの絵描きが商売をしている。観光客の土産用の観光絵葉書的な絵でちっとも面白くない。
ロンドンにも大道絵描きがいて、道路の上にチョークで絵を描いて、”投げ銭”で小銭を稼いでいる。歩道に描くから「Pavement Artist」と呼ばれる。映画「メリーポピンズ」にそれが出てきた。メリーポピンズがその絵の上に乗ると、絵の世界に入ってしまう。やがて雨が降って絵が消えてしまうと、メリーポピンズは現実の世界に戻ってしまうというファンタジックな絵だった。アメリカの現代絵画のバスキアは、地下鉄の駅や街の中の建物の壁などに絵を描いたから、一種の大道絵描きといえるだろう。映画「バスキア」で彼の生涯を描いていたが、表現主義的な激しい絵を描いた。しかし彼は美大で絵画の基礎を学んだ人なので、大道絵描き的な絵とは違う。人種差別などへの社会批判を込めているメッセージ性の強い絵だ。
ストリート・アーチストのバンクシーも街の中のいろいろな場所に描くが、バスキアはその ”はしり” だったといえる。
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