Memory Bias
見にいってはいないが面白そうな展覧会だ。「記憶」が無意識のうちに「汚染」」されたり、人の「記憶」を意図的に「汚染」させることが日常的に起こる。「記憶」にまつわる「認知バイアス」の危険性を認識させようという意図の展覧会のようだ。「記憶」に関する認知バイアスの代表は「虚偽記憶」で、過去に実際に起こらなかったことを本当に起きたと思い込むバイアスだ。
だから「思い出」も後から作られることがよくある。それは「事後情報効果」と呼ばれる。「バイアスの心理学」という本に、ある実験が紹介されている。ひき逃げ事件の映像を見せて、一週間後に事故の内容を思い出してもらう実験をした。「逃げた車は赤色でしたか?」と質問されると、被験者の頭の中に赤い車が浮かび、それが「記憶」になってしまう。それで「赤い車だった」と答える。人間の記憶がいかにあいまいで、後からの情報に影響されやすいかを示している。
もうひとつ「確証バイアス」というバイアスがある。自分の考えと一致する情報ばかりを集め、それ以外の情報を無視することをいう。例えば「A型の人は几帳面だ」と信じている人はA型の人に接すると、その人の几帳面な部分にだけ注目して、大雑把な部分は無視する。そうして「やっぱりA型の人は几帳面だ」ということが「確証」になっていく。SNS の偽情報で、繰り返して同じ情報に接すると、だんだん本当のように思えてくるのも同じだ。
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