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江戸時代の観光ガイドブック「名所図会」には、名所旧跡だけでなく、それぞれの地における人々の暮らしぶりや仕事などが描かれている。文章の説明はあまりなく、絵による視覚情報がほとんどだった。絵師たちは必ず現場で取材しスケッチをしたので、現場の雰囲気がリアルに伝わってくる。その中で各地の名産品を作っている製造工程を説明している絵がたくさんある。細部まで克明に描いているので文章説明なしでもよく理解できる。(図は「江戸の旅 名所図絵の世界」(深光富士男)から)
⚫︎「浅草海苔」:「江戸名所図会」
江戸中期には、海苔の養殖技術が発達して、大森や品川の海で量産体制が確立されていた。江戸の海苔は「浅草海苔」というブランド名で、人気商品として広く流通した。 この絵は海苔の製造工程を克明に描いている。左上で海の中に木の枝が立っているが、これは海苔の種を付着させて育てるもの。左には男が海で取ったばかりの海苔をカゴで運んでいる。中央下では男が海苔を包丁で細かく刻んでいる。その向こうでは海苔を漉いて、干している。右下の屋内ではパートのおばさんらしき女性が、出荷の梱包をしているようだ。左中央は看板のある店舗になっていて、製造直売店になっている。奥の座敷で家族とお茶を飲んでくつろいでいる男は社長だろう。従業員に仕事を任せて余裕の表情だ。
江戸中期には、海苔の養殖技術が発達して、大森や品川の海で量産体制が確立されていた。江戸の海苔は「浅草海苔」というブランド名で、人気商品として広く流通した。 この絵は海苔の製造工程を克明に描いている。左上で海の中に木の枝が立っているが、これは海苔の種を付着させて育てるもの。左には男が海で取ったばかりの海苔をカゴで運んでいる。中央下では男が海苔を包丁で細かく刻んでいる。その向こうでは海苔を漉いて、干している。右下の屋内ではパートのおばさんらしき女性が、出荷の梱包をしているようだ。左中央は看板のある店舗になっていて、製造直売店になっている。奥の座敷で家族とお茶を飲んでくつろいでいる男は社長だろう。従業員に仕事を任せて余裕の表情だ。
⚫︎「高野豆腐」:「紀伊国名所図絵」
高野豆腐はもともと氷豆腐と呼ばれ、寒中に豆腐を屋外で凍らせ、乾燥させる食品だ。高野山の僧が作り始めたので、高野豆腐と呼ばれるようになった。高野豆腐作りの一連の工程を目で追えるように見せている。
木曽の山中では、熊、猪、鹿などの狩猟が盛んだった。木曽路沿いに獣の皮を売る店が連ねている。獣の毛皮が軒下に吊るされ、店先に獣の足が無造作に置かれている。生捕りにした熊を檻に入れて展示している店もある。左の店では、熊の胆嚢を乾燥させて作った熊担(くまのい)を店主が客に勧めている。
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