2014年6月26日木曜日

アメリカン • リアリズム(3)

アメリカン • リアリズムの画家たちを調べていて、面白いことに気がついた。それは、彼らの多くが画家であると同時にイラストレーターだったか、イラストレーションとの関わりが深かったことだ。

先にあげた4人のうち、例えばフレデリック • レミントンは、有名雑誌の記事に載せる挿絵を描きイラストレーターとして大成功し、高収入を稼いでいた。西部の絵が多いのは、雑誌の取材でたびたび西部へ出張していたからだという。純粋絵画へ転向したのは晩年になってからだった。

エドワード • ホッパーは、イラストレーターとしての経歴はないものの、美術学校で絵画を学ぶ前に、商業美術の学校でイラストレーションを学んでいる。

ノーマン • ロックウェルは有名雑誌の表紙のイラストレーションを永年にわたって描き続け人気作家になった。おおかたの美術評論家からは画家とは認められず、イラストレーターとして扱われ、アメリカ美術史の本にもほとんど名前は出てこない。

アンドリュー • ワイエスは身体が虚弱だったため、学校教育を受けず、まして美術学校で学んだことはない。絵画は有名なイラストレーターだった父親から学んだ。したがって、彼の絵にはイラストレーションの影響があり、それを本人も認めている。

リアリズム絵画とイラストレーションはなぜ結びつきやすいのだろうか。興味がわく。


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