2014年6月24日火曜日

ワイエスの「写実」(2)

ワイエスの言葉。「私は何週間もかけてスケッチや水彩の習作を描く、実際にそれを使うことはないかもしれない。だが私は、スケッチを通して意識下に深くしみこんだ感応が、いつか一枚の絵のなかに結実することを知っている。」下は同一の作品のためのスケッチや習作だが、彼が何をやっているのかがよく分かる。モデルを見ながらスケッチをしてはいるが、描写をしているのではない。彼の言う「意識下にある自分の感応」を手探りしながら見つけ出そうとしている。それはまた、絵をどう組み立てるのかを試行錯誤しながら「一枚の絵として結実」させていく過程でもある。


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