2017年10月5日木曜日

ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ

Nobel Prize 2017  :  Kazuo Ishiguro

やはり。前にも当ブログで書いたが、村上春樹よりカズオ ・イシグロの方が先にノーベル賞をもらうだろうとずっと思っていた。映画化作品も素晴らしかったが大部分は原作の力だろう。「わたしを離さないで」と「日の名残り」は強く印象に残っている。


2017年10月3日火曜日

映画「ドリーム」と「イミテーション・ゲーム」 

Movie  "Hidden Figures"  &  "The Imitation Game"

「ドリーム」をさっそく観てきた。数学のプロが宇宙衛星打ち上げで大活躍する話だが、同じく国家的大プロジェクトで数学者が貢献するという似た設定の映画として、2014 年の「イミテーション・ゲーム」があった。両方ともコンピュータが関わっている。AI が人間を越えようかという今、コンピュータ発達史としてこの二つを観ると面白い。

映画「ドリーム」
NASAで軌道計算係を務めた黒人女性が差別と闘いながら活躍する話。やがてコンピュータが導入されるが、まだ信頼性が低く人間が検算していた。本番の有人衛星打ち上げの日、急遽彼女が呼ばれる。ものすごいスピードで手計算で計算する。そして衛星は計算通り飛行してぴったりの位置に着水する。

映画「イミテーション・ゲーム」
これは超おすすめ映画。やはり実話で、第二次大戦中にイギリスの天才数学者がドイツ軍の暗号を解読する話。苦闘の末に暗号解読機を作り上げ、解読に成功するが、この功績はイギリス政府によって抹殺され、悲劇の人になってしまう。最後の字幕がかっこいい。「彼が作った機械を今日我々はコンピュータと呼ぶ」

2017年9月30日土曜日

パステル画の支持体

Mi-Teintes,  Sanded paper,  Pumuce

パステル画の支持体についてよく聞かれる。紙はキャンソンのパステル専用紙「ミ・タント」がいちばん一般的だが、それ以上の情報はパステル画の入門書・技法書でもとんど書かれていない。

他にはサンドペーパーもよく使われる。凸凹が鋭く硬いのでパステルの削れ具合がよく色の乗りがいい。しかし欠点は、大きさが A3 くらいまでしかなく、色も黒とベージュだけ。また日本ではあまり一般的でないため、画材店で売っていないので、Amazon で海外(イギリスのUARTというメーカー)から買うしかない。

ところがサンドペーパーと同じ下地を作れる方法がある。アクリル画などの下地用メディウムの中の「パミス」( Pumuce ) はサンドペーパーと同じ砂が入っているので、これを紙やボードにペインティングナイフで下塗りするのだ。これにアクリルで自由に下地色も塗れるし、大きさも自由で値段も安く、いいことづくめ。よく使われる方法だが、日本ではほとんど知られていない。これの応用として、厚塗りして凹凸の激しいテクスチャーも作れるので、そこにパステルを乗せると面白い効果が生まれる。




2017年9月27日水曜日

風景「雨の林道」

Pastel painting  "Rainy Path"

雨で水浸しになった林道が光っているのが印象的だった。日台絵画交流展 @ 台湾に出展中。(ソフトパステル、キャンソン  ミ・タント紙、8号)

"Rainy Path"  Soft pastel,  Canson Mi-Teintes,  450cm × 330cm

台湾ではパステル画を「粉彩畫」という。 

2017年9月24日日曜日

写真集「世界を分断する壁」

Photo document  "Wall"

ベルリンの壁がなくなった今もまだ世界中に存在する壁を集めたフォトドキュメント。パレスチナや 38 度線は有名だが、初めて聞くびっくりするような壁もたくさん出てくる。表紙の写真はトランプさんで話題のアメリカ・メキシコ国境の壁。尋常でない壁の高さから分断の厳しさが伝わってくる。


面白いのは、壁の落書き。壁は国の勝手な政治目的で作られるが、それに反発する庶民の落書きもある。特にこの2つには感心した。



意地悪な風船売りの怪物が「お嬢ちゃん、もっと要る?」とか言っているが、少女はなんとか風船で壁を乗り越えようとしている。壁の無い自由な世界への願い。


ネタはジョン・レノンの「Imagine」だろう。「想像してごらん、国境のない、みんなが一つになった世界を」という夢が逆さまになっている現実への抗議のメッセージだと思う。

2017年9月21日木曜日

横浜「赤レンガ倉庫」の観察

Yokohama Red Brick Warehouse

赤レンガ倉庫は明治末にできた古典的な建築だが、エレベータ、消火栓、避雷針など当時としては最新の設備が備わっていた。


日本初の避雷針だが「アールヌーボー」スタイルの優雅な装飾付きなのが明治っぽい。

そっけない鉄製の外廊下がいかにも倉庫らしいが、それでもこんな装飾がついている。

控えめだが伝統的建築の様式を踏襲している。屋根のひさし状の縁取り(コーニス)と、歯形の装飾(デンティル)。

日本初の荷揚げ用エレベータのモーターが展示されている。アメリカの OTIS 社のロゴがついている。この頃から世界一のエレベータメーカーだったことが分かる。

2017年9月18日月曜日

横浜「汽車道」の鉄橋

Old bridge made in USA

いまの「汽車道」はプロムナードになっているが、昔は横浜駅と港を結ぶ臨港線の一部だったそうだ。いつも何気なくとおっていた鉄橋だがよく見るとこんな銘板が付いている。「American Bridge Company」という会社のアメリカ製だ。「1907」とあるから110 年前の明治 40 年になる。トラス鉄橋はまだ難しい技術だったのだろうか?