キーファーは戦後ドイツの画家だが、ナチズムの歴史を直視することをテーマにしたシリーズがある。消えてしまった「第三帝国」の都市を描くことで、ナチズムの記憶をもう一度蘇らせようとした。特にヒトラーが作った建築をモチーフにした絵を多数描いている。
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2020年5月30日土曜日
”死んだ都市”の絵(その5)キーファー
Anselm Kiefer
キーファーは戦後ドイツの画家だが、ナチズムの歴史を直視することをテーマにしたシリーズがある。消えてしまった「第三帝国」の都市を描くことで、ナチズムの記憶をもう一度蘇らせようとした。特にヒトラーが作った建築をモチーフにした絵を多数描いている。
ヒトラーのお抱え建築家として有名なアルベルト・シュペーアは、ベルリン大改造の都市計画や、威容を誇るモニュメンタルな建築を手がけた。しかし、神殿のようにそびえていたこの建物も、敗戦とともに、瓦礫になってしまう。
ヒトラーは、シュペーアに総統官邸を設計させた。擬古典主義建築が大好きだったヒトラーの好みに合わせた、宮殿のような建物だ。キーファーは、ナチズムのシンボルのようなこの建物を焼けただれた遺構のように描いた。(写真は現存していた当時の総統官邸)
べルリンにあったドイツ軍兵士の地下墓所をモチーフにしているが、画面奥に7つの炎が燃えている。これはイスラエルの聖墳墓教会の祭壇に灯されている7つの炎の意味だという。この絵には、ユダヤ人の強制収容所やホロコーストのイメージが重ねられている。
キーファーは戦後ドイツの画家だが、ナチズムの歴史を直視することをテーマにしたシリーズがある。消えてしまった「第三帝国」の都市を描くことで、ナチズムの記憶をもう一度蘇らせようとした。特にヒトラーが作った建築をモチーフにした絵を多数描いている。
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