閑人の絵日記
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2020年4月28日火曜日
マネとモンドリアン
Manet & Mondrian
2つの絵を比べてみる
③
マネとモンドリアンの平面構成絵画
マネの「バルコニー」は、まるで人物の形に切り抜いた紙を窓ガラスに貼り付けたように平面的に見える。空間の奥行きや立体感を重視する伝統的絵画に逆らって、絵を平面化している。だから当時この絵は、非難ごうごうだったという。
マネの伝記映画に、この絵の制作過程が出てきた。まず窓とバルコニーを描いておき、その後でモデルを一人ずつ、すき間を埋めるように描いていった。この描き方からマネのねらいがよく分かる。対象を平面的に並べる「平面構成」をしている。だから人物も陰影をつけずに、立体感を無くしている。平面構成は、面を分割する線が大事だが、この絵では窓とバルコニーの直線がその役割をしている。
究極の平面構成がモンドリアンで、垂直水平の直線で平面を分割している。マネの絵から人物を消して、窓とバルコニーの直線だけを残すとモンドリアンになる。
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