閑人の絵日記
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2020年4月24日金曜日
カラヴァッジョの「ナルキッソス」と 宮本三郎
Caravaggio & Saburo Miyamoto
2つの絵を比べてみる
①
カラヴァッジョの「ナルキッソス」と宮本三郎の「饉渇」
宮本三郎の「饉渇」は、世田谷の宮本三郎記念美術館で見ることができるが、印象の強い絵で、負傷した兵士が水たまりの水を飲もうとしている。水に映った像で、目をぎょろつかせた苦痛の表情がわかる。戦争中に軍部に協力して描いた戦争画だが、そのことを別にすれば、絵はデッサン力随一の宮本三郎らしい。
カラヴァッジョに「ナルキッソス」という絵がある。題材のナルキッソスは、ギリシャ神話に出てくる美少年で、泉の水に映った自分の姿に恋してしまう。これが自己愛や自己陶酔を意味する「ナルシシズム」の語源になった。
宮本三郎は、この絵からヒントを得ているはずだ。手をついたポーズや、地面と水の境目が画面中央を横切っている構図もカラヴァッジョと共通している。
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