ソーシャル・ディスタンスの名著「かくれた次元」から、続きとして3回目の紹介をする。著者のホールはアメリカの大学で建築・デザインを教えていた人なので、ソーシャル・ディスタンスの研究も、空間設計の指針につなげる目的で行っていた。
空港ロビーのベンチの機械的に一直線に並べたベンチは、電車の座席と同じで、他人との物理的な距離は近いものの、お互いに会話をすることはない。このように他人との社会的関係のない人どうしの、よそよそしい空間を「離社会的空間」と呼んでいる。
(余談だが、電車は、社会的関係のない人どうしの典型的な「離社会的空間」だから、他人の存在をほとんど意識しない。だから、電車の中で化粧している女性は、他人と分離されたテリトリーの内にいるという、自宅と同じような感覚になってしまい、きわめて個人的なことを公共の場でやれてしまう、と心理学者は説明している。)
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