2020年4月8日水曜日

ソーシャル・ディスタンス

Social Distance

コロナのおかげで「ソーシャル・ディスタンス」という言葉が日本でもすっかり流行語になった。これを言い始めたのは、名著「かくれた次元」(エドワード・T・ホール)で、人間が相手との間にとる距離について、文化人類学的に研究した本だった。この機会に 4 0 年ぶりに再度読んでみた。

人が誰かと会ったり、話したりする時の距離は、両者の人間関係、あるいはその時のお互いの気持ちによって決まる。それを4種類の距離に分類している。

密接距離( 45 cm 位) 
恋人・親子など

「3密」のうちの「密接」に当り、カラオケやナイトクラブは、この距離になりやすいから望ましくない。
イタリアでコロナが急拡大したのはハグ・キス・握手などの密接距離文化のためと言われる。
個体距離( 1, 2 m 位)
友人・同僚など

親しい人どうしのかなり近い距離だが、密接距離ほどではない。
コロナ対策で、行列に並ぶ時にも、少なくともこの位の間隔を空けて、と呼びかけている。
社会距離(2 ~ 3 m 位)
会議・来客の応接など

業務などの社会的関係にある人どうしの距離で、「ソーシャル・ディスタンス」はこれに当る。
コロナ対策としては、個人的関係でもこのくらいの距離をとることが望まれている。
公衆距離(4 ~ 7 m 位)
講演・教室など

1人対不特定多数の関係にある時の距離で、マイクを使うことが多い離れた距離。


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