2020年4月20日月曜日

人物画での、画家とモデルの距離。

Painting Distance

「かくれた次元」は、様々な観点から「ソーシャル・ディスタンス」について研究しているが、絵画についての考察もしている。人物画で、画家とモデルの距離によって、人間の見え方がどう変わるかについて書いている。

4m 位
モデルの全身が一つのまとまった姿として見える。しかし、注意が主として、輪郭やプロポーションに向かうので、人間の形に切り抜いたボール紙のような平板なものに見えてしまう。この距離は適していない。

1, 5 m 〜 2. 5 m 
モデルの姿を理解するのに遠すぎないし、全体を遠近法的に捉えるのが困難でもなく、いちばん人物画に適している。そして微妙な表情も読み取れる距離なので、モデルの「心」が見えやすい。人物画の名作は、モデルの人間性まで表現しているが、ほとんどがこの距離で描いている。

1m 以下
彫刻家は手の届く至近距離で制作することがあるが、手で触って形を確かめるためで、絵画の場合には近すぎて、全体を一目で捉えることができない。またモデルの内面が強く出すぎて、絵画に必要な、第三者的に見る客観性が保てない。

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