2019年8月23日金曜日

ルイス・ブニュエルの「皆殺しの天使」

Luis Bunuel  "El Angel Exterminador"

ルイス・ブニュエル監督の名作「皆殺しの天使」を DVD で初めて観た。

金持ちの邸宅で晩餐会が開かれる。招待客 20 人も全てブルジョア。ところが食事が終わって夜が更けても誰も帰ろうとしない。全員が泊まるが、夜が明けても帰らない。そのまま何日経っても帰らない。ドアも門も開いているのに、監禁されて外に出られないと勝手に思っている。やがて食料もなくなり、正気をなくして言動がおかしくなっていく・・・

映画は、邸宅の内と外の間にある目に見えない壁を暗喩しているようだ。それは階級の間にある壁で、ブルジョアたちが自分たちの価値観から抜け出せないことの暗喩でもあるのだろう。最後に、ある方法で全員外に「脱出」するのだが、その後さらにオチがある。同じメンバーが今度は教会の中に「閉じ込められる」ことを示唆して終わる。このことから、「階級」だけでなく「宗教」でも、自分が属する集団に囚われて自縄自縛になっている人間を揶揄するのがブニュエルの意図に違いない。

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