2019年8月11日日曜日

モナリザの微笑

Mona Lisa smile

「モナリザ・スマイル」という映画で、美術史を学ぶ学生が、モナリザの意味深長な微笑の意味を最後に知る、というのがオチになっている。この映画に限らず、モナリザの表情について昔から色々な議論があったが、最近、心理学の印象評価実験の手法による面白い研究論文が発表されたそうだ。この結果、これは喜びの表情であることが分かったという。

"Mona Lisa is always happy - and only sometimes sad"   by Emanuela Liaci  より

原画の口元を加工して、悲しみから喜びまでの表情を変えた写真を13 段階作る。S1 は口が横真一文字なのに対し、S13 は口元がかなり上へ上がっている。S9 が原画通り。被験者に、それぞれを見せて、どこまでが悲しみで、どこから喜びに感じるかを言わせる。その結果がグラフで、上段のグラフの赤線が「どちらとも言えない」の線と S5 で交わっていることから、悲しみと喜びとの境目が S5 にあることがわかる。下段のグラフは、判断の反応時間で、S5 で最も判断に迷っていることが分かり、このことからも S5 が境目であることが分かる。どちらのグラフでも原画の S9 は完全に喜びの範囲に入っている。

0 件のコメント:

コメントを投稿