Bodegon (Still Life)
国立西洋美術館で開催中の「西洋絵画、どこから見るか?」展を観た。「ボデゴン」はスペイン語の静物画のことだそうだが、これはその最高傑作だとされる。ファン・サンチェス・コターンというスペインの画家の「マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物」。
17 世紀の作品だが、驚くほど近代的だ。モチーフを壁のくぼみに配して細密描写をするというのは当時の「だまし絵」の定番手法だが、この場合は、モチーフをカーブした一列に並べて、画面中央に暗い空間を大きく残している構図が斬新だ。
この絵の隣にもう一枚、ファン・バン・デル・アメンという同時代の画家の静物画が並べられている。こちらは、当時の静物画の普通の構図で、モチーフがぎっしりと画面いっぱいに描かれている。これと比較すると、モノだけでなく、空間を意識した構図の上の絵が斬新なことがよくわかる。
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