「Modernist on the Move 1920 ~ 1930 」
神奈川県立近代美術館(葉山館)で開催中の「移動するモダニズム 1920 ~ 1930 」展が勉強になる。タイトルどうり、ちょうど100 年前の日本のモダニズム絵画が花開いた時代を展望できる。 1920 年 ~ 1930 年の 10 年間は、大正の終わりから昭和の初めにまたがる戦間期だった。
この時代、ヨーロッパでは印象派の時代が終わり、様々なモダニズム絵画の運動が巻き起こったが、日本の画家たちは、その先端芸術を勉強しようと欧州に向かった。この展覧会は、彼らの作品を展示している。
フライヤーの中央に大きく扱われているのは、ドイツで活動した和逹知男という人の「謎」という作品。新聞の切り抜きなどを貼り付ける「コラージュ」の作品だ。(コラージュは特にバウハウスで盛んに行われたが、表現されるメッセージが反体制的だったため、やがてナチスによって弾圧される。)
フライヤーの裏面で中央に扱われているのが、坂田一男という人の「浴室の二人の裸婦」という作品。坂田一男は、パリでキュビズムを学び、フェルナン・レジエとも交流があったという。”機械の時代” を風刺的に描いたレジェの影響が見られる。
パリに留学して、シュールリアリズムを学んだ福沢一郎の「よき料理人」。レストランのテーブルの上に椅子が置いてあり、シェフの代わりに客が料理をしている、という無秩序な光景を描いている。客はナイフを研いだり、梨の爆弾に火をつけようとしている。1930 年の作品で、世界情勢が不穏で不安になってきた時代を風刺するような作品だ。
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