2025年1月5日日曜日

「ミュシャ展」

Mucha


「ミュシャ展」をギリギリ最終日に鑑賞した。(横浜そごう美術館) アールヌーボー美術の先駆者といわれ、ポスターが有名だが、今回は、本の挿絵、パッケージデザイン、香水のビン、装飾品、などの展示があり、ミュシャのマルチタレントぶりに焦点を当てた企画になっている。知らなかったミュシャの一面を見ることができる。

チョコレートやビスケットの缶のデザイン


振り返ってみると、日本で大人気のミュシャなので、何度も展覧会が開かれてきたが、その度に企画に工夫が凝らされている。印象的だったのは2019 年の、渋谷「Bunkamura」での「ミュシャ展」で、ミュシャの日本への影響を取り上げていた。大正時代の本の装丁が、ミュシャスタイルの大きな影響を受けていた。そしてミュシャの繊細な線描による女性の描き方は、現在の漫画やアニメにまで受け継がれている。



そして最も強烈に印象的だったのが 2017 年の国立新美術館での「ミュシャ展」だった。「スラブ叙事詩」という、ミュシャの祖国チェコの歴史をテーマにした超大作シリーズだった。国立新美術館の特別室の高い天井まで届く大迫力の絵で、全 20 点全てが展示されていた。本国チェコ以外への貸し出しはこの時の日本だけ、という貴重な展覧会だった。チェコが外国に支配されてきた時代に、独立への強い願いを描いた、民族主義的な色あいの強い絵画だ。


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