Barbie and Pink-color
前回のアカデミー賞の有力候補だったが受賞を逃した「バービー」をあらためて見た。映画としては駄作だが、正面から「ジェンダー」をテーマにしている点では面白い。「男社会」の現実世界と真逆の「女社会」が舞台で、さまざまな職業のバービー人形たちが人間の姿で登場する。彼女たちが世の中を牛耳っていて、男は従属的な存在だ。
「男の子は青、女の子はピンク」は「男は仕事、女は家事」と並んで「ジェンダーバイアス」の代表だが、この映画の ”理想の” 女社会は、建物も車も衣服もピンクで埋め尽くされている。
映画でバービーが現実社会へ入っていく場面がある。バービー人形を作っている「マテル社」の重役会議へ迷い込むが、全員が黒スーツにネクタイのオジサンだ。女の子に ”夢を与える” 商品を作っているのは、男たちがビジネスで儲けるためでしかないという現実を皮肉っている。「男社会」が女性を「人形」扱いしているが、女性自身も可愛い「人形」でいることに満足して、人間としての自立心がない、という現実をパロディにした映画だ。
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