2022年11月21日月曜日

反ワクチン運動と地球平面説

 Flat Earth Theory

5回目のワクチンを打ちに行ったが、接種会場への送迎バス発着場の目の前で某政党の反ワクチン演説が行われていた。けっこう人気があるようで、人だかりがしていた。


アメリカの反ワクチン運動は、強い影響力を持っている。運動の母体はキリスト教原理主義者たちで、”宗教国家” と呼ばれるアメリカで政治的にも強い影響力を持っている。神様が創った人間の体に、ワクチンで手を加えることは聖書に反することで、とんでもないと考える。彼らはまた極端な自由主義者でもあるので、ワクチンという科学を使って政府が国民を統制しようとしているとして強く反発する。

彼らはワクチン以外でも科学すべてを強く否定する。そのひとつが「地球平面説」だ。中世の画家ヒエロニムス・ボスが、聖書の「天地創造」を描いた有名な「快楽の園」の扉の外面には、球形の宇宙の中心に円盤状の地球が浮いている。しかし、ガリレオなどが地動説や地球球体説を唱え始めると、神さまが地球を創ったとする聖書の教えに反することになるから、教会から異端として弾圧された。聖書が絶対とする人たちは 2 1 世紀の現在もそれを続けている。


このような反科学主義は、他にもダーウィンの「進化論」なども否定するが、ワクチン反対やマスク反対の運動もその延長線上にある。彼らに科学的な証明を示しても意味がない。それは宗教の問題だから、信者に対して神様なんていないよというのと同じで無意味なことだ。だから、そのような社会的素地がない日本でのワクチン反対運動は、どうしても違和感がある。


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