2018年10月31日水曜日

極端な遠近法

Hendrick van Steenwijk

この間、高齢者の運転免許更新の時、視力検査で視野角を測られた。正面を向いたままで 90°の真横は全く見えないが、 80°位から何かがあるなという程度に見え始める。形や色まではっきり見えるようになるのはやっと 40°位からで、それほど人間の視野角は狭い。


それからすると、このヘンドリック・ファン・ステーンウェイクという人の絵はすごいというか変というか・・・。消失点を極端に画面の左に寄せて、右半分を広く取った構図にしている。正面(消失点の方向)を見ながら、自分よりも右側の光景を(横目で)見ていることになるが、その範囲が広い。平面図を描いてみると分かるが、画面の右端の建物はかなり真横近くにあるはずだ。視力検査だったら、魚眼レンズのような視野角の人でない限りこんなに横まではっきり見えるはずはない。あえてそれを描くことで、すぐ近くの物と遠くの物との遠近感を強く感じさせている。

見た通りに客観的に描く手段として遠近法が発明されたが、それを応用すると逆に見えないものも描けてしまう。そんな遠近法の威力で人を驚かそうとしているかのような絵だ。

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