2018年10月13日土曜日

フェルメール「牛乳を注ぐ女」の遠近法は「おかしい」?

Vermeer's perspective

フェルメールの「牛乳を注ぐ女」の解説で「遠近法がおかしい」という話がよく出てくる。窓の消失点とテーブルの消失点が一致しないというのが理由になっている。「視覚心理学が明かす名画の秘密」(三浦佳世)という本でも「消失点が一つでなく、遠近法に違反した絵で、ありえない空間を描いている。」と言い切っている。(写真は同書より)

たしかに一点透視図では平行なものどうしの消失点は一つだからテーブルが壁と平行に置かれているという前提なら「おかしい」ことになる。しかし、もし斜めに置かれているとしたら消失点は当然別のところへ来る。そして実際このテーブルは斜めに置かれていると思う。理由は、テーブルの手前の縁が壁にかなり近いのに、向こう側の縁はもっと離れていること。もう一つは、女性がテーブルに対して正対しているのに半身(はんみ)に描かれていること。だから平面図を描くと、こんな感じになるはずだ。



これならテーブルの消失点は窓の消失点とは別のところにできるのは当然で、その関係を作図すると右のようになる。この説明ならつじつまが合い、フェルメールの遠近法は「おかしくない」ことになる。フェルメールは「遠近法に違反」していないし、「あり得ない空間」など描いていない。




1 件のコメント:

  1. でも、テーブル左縁は壁に沿ってませんか?このテーブルは台形なのではないでしょうか?

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